結成から28年、フランスの伝説的なエレクトロニック・アーティストにして覆面デュオの Daft Punk(ダフト・パンク)が2月22日、解散を仄めかすような動画を YouTube に公開し、音楽シーンを激しく動揺させている。問題の動画は以下のもので、タイトルは、終わりを意味する「Epilogue(エピローグ)」
 

この動画の冒頭では「02:22:21」という文字が現れる。これは、この動画が公開された日時を示しているようだ。
そして、次に2人が砂漠の中を歩いている動画が現れる。Daft Punk ファンならお気づきだろうが、これは2007年に公開された映画「Daft Punk's Electroma(放題:ダフト・パンク エレクトロマ)」のラストシーンである。
 

動画内では、ガッカリした様子(映画内では人間になりたいのになれなくて失望していた)の Thomas Bangalter(トーマ・バンガルテル/銀色)だけが爆発していることから、もしかすると、トーマは音楽業界から完全に撤退し、Guillaume Emmanuel "Guy-Manuel" de Homem-Christo(ギョーム・エマニュエル "ギ = マニエル" ド・オメン = クリスト/金色)は活動を続けるのでは?という見方もできる。

なぜならば、映画・エレクトロマではギ・マニエルもラストはヘルメットの顔部分を外し、燃えているシーンがあるものの、この動画の中のラストでは、2013年のアルバム『Random Access Memories』からの一曲「Touch(feat. Paul Williams)」が流れる中、ギ = マニエルが砂漠を歩いて去っていくシーンのみで終了しているためだ。
その後、動画には Daft Punk の活動期間である「1993-2021」の文字と2人の手が画面に現れる。


映画・エレクトロマが公開された当時、世間の映画に対する反応としてはかなり酷評が多かったものの、ラストシーンに関しては皆が「美しい」と語るものだった。

そのシーンが今、現実のものとなってしまったのは非常に悲しい。エレクトロニック・ミュージック・シーン、ダンス・ミュージッック・シーンにおける一つの時代の幕が閉じたのを目の当たりにしたような想いを胸に抱いているファンは、非常に多いことだろう。