2024年6月に渋谷 CÉ LA VI TOKYO にて来日公演を行ったことも記憶に新しいフランス出身のハウス DJ / プロデューサー Bob Sinclar(ボブ・サンクラー)が、ギリシャのミノコス島のとあるナイトクラブに出演した際、そのクラブには好印象を持ちつつも、ファンたちの "とある行動" が原因で「(僕の)キャリアの中で最も最悪な公演だった」と衝撃的な事実を激白している。一体何が起きたのだろうか。
 
Bob Sinclar は上記の投稿にて、ダンスフロアの観客たちの "クラブを楽しむ姿勢" について非常にガッカリしていたことを吐露しており、「ちくしょう、今夜は物凄く落ち込んでいる。悪夢だよ。僕のキャリアの中で一番最悪なギグだった」とコメント。極め付けは、「STOP USING YOUR PHONE IN CLUB(クラブで携帯を使うのはやめよう)」というキャプションまで付けて注意喚起している。

非常に綺麗で、可愛い女性がたくさんいるナイトクラブで、今日は楽しむぞって思ったよね。そこで僕は、フレンチ・タッチの通常のセットをプレイし始めたんだ、それからコマーシャルなテック・ハウスや少しディープな曲もプレイしたりした、だけど全く人々は動かないんだ。人々はずーーーっと携帯で撮影していた。皆、何を待っていたんだ? 僕にはわからない。僕はヒット曲もプレイしたけど、それでもみんな携帯を持ったまま動かなかった。非常に落ち込んでる。分からないけど、僕のせいかもしれない。何が起こったのか分からないよ。このことを皆に共有しなければならないと思ったんだ。多くの DJ は、毎回セットが終わった後、素晴らしい瞬間を過ごせたと感じられて、すごくラッキーだと思うよ。ショーの後、こんなに退屈だと感じたことは一度もない。クソッタレだ。皆、聞いてくれてありがとう。

ファン心理としては、大好きな DJ や注目していたアーティストの来日公演の様子の写真や動画を撮影して、最高の思い出として後で見返せるようにしたり、友人たちに SNS で共有したくなるものだろう。しかし、時としてそれに集中し過ぎると、アーティストの気持ちを傷付けてしまうこともある。
今回の一件は、それが非常に悪い方向に出てしまった一例である。

自分の大好きなアーティストに喜んでもらうための一番の方法は、携帯電話での撮影ではなく、やはり彼らのプレイから繰り出される音に浸って、その場でしか感じられないビートやグルーヴを体全体で受け止めて、心地良く踊ることなのではないだろうか。
観客が楽しそうに踊っている光景こそ、DJ にとって自身への評価を最も感じられるものなのだから。