2026年6月7日にモナコにて開催された「モナコ F1 グランプリ」の同日夜、世界最高峰のモータースポーツの祭典にふさわしいアフターパーティーが、業界の眉をひそめさせる騒動の舞台となった。

2026年6月7日(日)深夜、モナコの「Lilly's Club Monte Carlo」で開催された F1 グランプリ週末のアフターパーティーには、DJ/プロデューサーの John Summit(ジョン・サミット)とラッパーの Travis Scott(トラヴィス・スコット)の出演が告知されており、F1 グランプリの週末を盛り上げる目玉イベントのひとつとして打ち出されていた。
しかし、Travis Scott は約2時間も遅刻して会場に現れ、John Summit がすでにセットを披露している最中に突如ステージに現れた。映像には、John Summit の DJブースをよじ登って突入する Travis Scott の姿が鮮明に映し出されており、その後 Travis Scott はマイクを手にオーディエンスへのパフォーマンスを開始したため、John Summit のセットは強制的に打ち切られる形となった。
 

さらに、John Summit のプロダクションディレクターである Erik Fink がステージ周辺で押し合う観客や Travis Scott の関係者らを押し返しながら「It's our set, don't fucking touch me!(「俺たちのセットだ、触るな)」と叫ぶ映像もネット上に拡散した。
 

事件翌日、John Summit は Instagram ストーリーに以下のように投稿。投稿文の中で直接名前は出さなかったが、その投稿の BGM には Travis Scott の楽曲「TOPIA TWINS」が使われており暗に Travis Scott を示していることは明らかだった。
 
 

モナコ、昨夜はヤバかったね。完全にコントロールを失った夜だった。昨夜はもう手に負えなかった。僕のショーが、他のアーティストが遅れて現れて無理やりステージに上がり込んできたせいで中止になったんだ。踊りに来てくれたみんな、ありがとう。

また Erik Fink も自身の SNS で Ibiza での次のイベントを告知する際に「With no Travis Scott!!! #professional(Travis Scott なしでね!!! #プロフェッショナル」と皮肉なジョークを添えた。

一方の Travis Scott 本人とその所属チームは、NME や Billboard などの取材依頼に対し、これまでに一切回答していない。
なお、2人の接触はモナコが初めてではなく、2025年5月にマイアミの「LIV Miami」での John Summit の DJ セット中、Travis Scott がバックステージに現れたことがあったが、その際には特に何事も起きず、二人の関係は比較的友好だったのではないかと見られている。

今回の騒動は、John Summit にとって注目度が急上昇しているタイミングで起きた出来事でもある。事件直前、John Summit は自身が今夏の「Lollapalooza」のヘッドライナーに抜擢されたことに対し、ネット上から「そいつは誰?」といった反応が多く寄せられていると苦笑いしながら以下のように述べていた。

自分はかなりやってきたと思ってたんだが……まだ振り向かせなければならない人たちがたくさんいる。
「ダンスアーティストはポップアーティストよりも自分を証明しなければならない場面が多い。

John Summit は今年、セカンドアルバム『Ctrl Escape』をリリース、今夏は Ibiza  [UNVRS] でのマンデー・ナイト・レジデンシーを7月末まで継続し、さらにベルギー開催の「Tomorrowland」への出演や秋の北米アリーナツアーも予定されているなど、大忙しだが、ダンスミュージックシーンを離れてしまうとまだまだその知名度は一般には普及していないと自身で感じているようだ。