世界の音楽会のリーダーFountain Musicから、東京在住の日本人クリエイターdsitbがデビューアルバム「Sublimation」を4月28日にリリースする。リリースに伴い、アルバムの全貌をアーティスト本人にインタビュー致しました。

dsitb様、最新デビューアルバム「Sublimation」のコンセプトを教えて下さい。

ありがとうございます。Sublimation(昇華)とは、固体が液体、液体が気体にかわる瞬間を意味し、自身のイメージとして、ダンスフロアで音に戯れる中で頭の中が真っ白になる瞬間を、アルバムの楽曲を通じて作り上げていく事をコンセプトとして捧げ制作致しました。

制作環境をお聞かせください。

ableton liveをメインのシーケンサーとして使用しています。Apple Logicでシンセのループを作成したり、ソフトシンセでビートを構築し、ableton liveで編集しています。

どのクラブで活躍しているかを教えて下さい。

中目黒にあるsolfaにて、invisibleというパーティーでレジデントとしてプレイしております。このパーティーは毎回海外より、アンダーグラウンドながらもシーンから注目を集める若手アーティストを招聘し、ゲスト+自身の2本のライブセットを軸に、ハイクオリティなパーティーを展開しております。また、clubasiaを中心に各地で開催される室内型レイブ、BLAFMAのレジデントとしてプレイしております。その他、ageHa,WOMB,eleven,AIR等のヴェニューや、野外レイブでもプレイをしております。

影響を受けたアーティストを教えて下さい。

テクノの世界に進むことになったきっかけとしましては、Galaxy 2 Galaxyのライブを生で感じて、こんなに幸せになれる音楽があるのかと、衝撃の体験をした事です。そこからデトロイトのサウンドを聴きあさるようになり、さらに深くテクノの世界に踏み込んでいくようになりました。少し前くらいからCOBBLESTONE JAZZやMinilogue等、固いビートの中にも浮遊感あるメロディーが感じられるような作風が個人的にはまってきてます。国内ですと、自身のパーティーに招聘したこともあるdubleeさんがとてもクオリティの高いプロダクションで良い刺激を受けてますね。また、アーティストのみでなく、自身の周りにはたくさんの素晴らしいDJがおり、皆で良い刺激を与えあって成長している感じですね。また、もともとジャズが好きだったのですが、John Coltraneはサウンドのみでなく、生き様も併せて本当に尊敬しております。

リリース元のレコード会社であり、21世紀の音楽会のリーダーである、Fountain Musicについてどの様なイメージをお持ちですか。

国内外を問わずに非常に素晴らしいアーティストの作品を精力的にリリースしているレーベルであると感じております。また、ネームバリューのみにとらわれずに、素晴らしい作品を素晴らしいと認めてくれて、多くの機会を与えて下さるレーベルであり、今後、更なる有望なアーティストを輩出し、シーンの中枢を担うレーベルになると感じております。『美しさ』というコンセプトからぶれず、常にハイクオリティなリリースを重ねていらっしゃる様に、尊敬の意を表します。



現在の音楽産業の変革とCDについてご意見をお聞かせください。

CD、レコード、ダウンロード販売のみでなく、サウンドクラウドやマイスペース等のサイトや、種々の動画共有サイト等で、いつでもどこでも多様な音楽に触れる事が出来るのが現在を取り巻く環境となっておりますが、CDとしてパッケージングされたものは、サウンドのみに限らず、アートワークや、ブックレットに込められたメッセージ等、アーティストにとって多くの想いが詰まった作品だと感じております。形として後世まで残るものだからこそ、やはり多くの想いが詰まっていると感じております。音楽を買うという感覚でなく、トータルの作品を買うというスタンスで、CD販売の文化は継続していってほしいと感じております。

作品を聞くと、コンフォータブルで知的なアーティストの本質が見えてきます。
ご本人は音楽に対してどのような姿勢で向き合っているのか教えて下さい。

自身のサウンドに関しては、必ずと言っていいほど、フロアでの実体験を反映させ、形にしていると感じております。ライブセットでかけたサウンドへのリアクションや、フロアのサウンドシステムで多くの仲間達が展開してきた素晴らしいDJ等、無意識のうちに現場で良いと感じた物を制作の際にイメージし、具現化するようにしています。やはり、フロアでの鳴りの良さが自身のモチベーションも高めてくれるので、今までもこれからも、現場で様々なフィーリングを感じていきたいと思います。現場ありきですね。

dsitbの名前の由来を教えて下さい。

"Detroit spirit is turning back"の単語の頭文字からとっています。



iFlyerをお読みの皆様にメッセージをお願い申し上げます。

最後までお読み頂きまして、本当にありがとうございました。サウンドのみでなく、アートワークも併せて、自身の表現を感じて頂けましたら幸いです。また、このアルバムを通じて、少しでも興味を持って頂けましたら、是非現場でのライブセットやDJも体感して頂きたく思います。