Diploは、プロデューサー、パフォーマー、イベント企画者、レーベル主宰者など様々な肩書きで音楽業界で活躍している。
その成功の裏に存在する彼のチームとのインタビューがBillboard独占で公開された。

そのインタビューには、Diploのマネジメント事務所、PR会社、マネージャー、レーベル関係者など様々な音楽界の重鎮が参加し、Diploの意外な姿であったり、彼が成功に至っているまでのプロセスを実体験を基に、サポートしていることがわかった。そのインタビューから判明したことをここで紹介する。

1 「更に上へと行く。今を勝る。」それが今抱える課題。



TMWRKとは、ブランディング、ツアー企画、戦略などを主な事業とする音楽マネジメント会社。
それを設立したのがAndrew McInnesKevin Kusatsuの2人。Kevinは、2006年以降Diploをマネジメントしており、Mad Decentもその影響により、TMWRKのクライアントとなった。

Mad Decentというレーベルを「ダンスミュージック界のDef Jam Records」と呼ばれるクールでポップなレーベルへと成長させたのもTMWRKの影響があるといえる。これだけ長い間Diploと一緒に仕事をしてきた彼らは、今Diploが抱える課題は、良い意味で常に更に上へと行かなければいけないこと。

例として、今年の歴史に刻まれたキューバ公演をあげている。その公演が終了した際に、「僕たちは、これから何をやればいいの?」と思ってしまうほどの大きな偉業を次々とこなすのも、それだけプレッシャーがあるということ。

2 Diploは、一日にフェスもクラブもブッキングする。彼に限界はない。



こう話すのは、Diploのブッキング・マネージャーを務めるBelinda Law。現在は、Echo Locationで活動する彼女は、主にヨーロッパとオーストラリアでのDiploのブッキングを担当している。

そこで、彼女がびっくりしたのがDiploほど世界的アーティストが小さなクラブも積極的にプレイすること。

Diploは、多くて一日に2回のフェス出演とその夜に、クラブギグをすることもあるよ。

このように、回数にこだわらず、出来るだけ多くの会場で公演をするDiploの仕事に対する姿勢により、彼は、クラブ客層、ラジオ客層、フェス客層という様々な音楽領域のファン層と上手に付き合えていると彼女は、話す。

3 彼は、多くのコラボレーションを様々なアーティストと貫く

こう話すのは、同じフィラデルフィア出身のDavid Rappaport
Diploをメインストリーム・ミュージックへと導いたきっかけでもある「Paper Planes」のリリースに携わった重要人物。
 


今は、主に法律関係の法務を担当している。Diploは、様々なレーベルやエージェンシーに属するアーティストと頻繁にコラボするため、一つの作品でも5人ほどのアーティストが関わっていると合意に至るまでが大変なときもあると話す。

このように、Diploの多彩なコラボが実現できている裏には、法務の活躍もあるのだ。

4 Diploは、流行する音楽を予知できるマスターである



こう話すのは、In2uneというラジオやビデオのプロモーションを主とするマーケティング・エージェンシーに在籍するMike Lieberman

彼は、Diploが音楽をリリースするときのスタイルを当初のときから知っており、それにもオリジナリティがあったことを明かす。
単に、ラジオ局にデモを送ったりするのではなく、実際にそこに足を運び、ラジオ関係者やDJと一緒に話す機会を設けてもらい、音楽を売り込んでいたという。それだけ、レーベルであれ、ラジオ局であれ、様々な媒体や組織との関係を大事にしているのだ。

実は、あの大ヒット曲「Lean On」も独自でリリースするか、TOPクラスのレーベルの力を借りるかというチーム会議があった際にも、レーベルを頼らずに、自分たちのチームで出せばOKと意見を放ったのもMike。Diploの働く姿勢を長く見ており、それを尊重する彼だからこそ、下した決断だろう。

5 すべての音楽はDiploを通ずる。

こう話すのは、TMWRKに在籍するRenee Brodeur​。彼女は、フィーチャーアーティストの相談、リミックスの申請、インターナショナルのクライアントとの連絡の窓口である。
これだけDiploを評価する彼女の視点は、Diploの働く姿勢にある。

音楽業界で多くのアーティストをサポートしてきた彼女は、アーティスト活動は、一般的なサイクルがあると話す。
それは、スタジオ入り→アルバム準備→アルバム発売→プロモーションツアーという流れだ。

しかし、Diploは違うと話す。Diploは、サイクルに従う時間もない。彼は、あまりにも多くの音楽を制作しているため、いつシングルをリリースするかもわからない基準化できない働き方をしていると話す。それは、ここ一ヶ月でのAriana GrandeコラボDesiignerコラボM.I.A.とのコラボZeds DeadコラボMajor Lazer名義での多数のコラボからも明確である。

6 Diploより前に出ることは不可能。



こう話すのは、アーティストの発掘・契約・育成とそのアーティストに合った楽曲の発掘・契約・制作を担当するA&R業務に携わるRon Perry
彼は、SONGS PUBLISHINGで働いており、現在は、DiploのA&R業務を担当している。

Diploと一緒に仕事をするきっかけは、ある課題を成功したからである。
最初の面会の際に、Diploに、「Bubble Buttって曲に何人かのラッパーをフィーチャーさせることに成功したら、あなたのレーベルと契約するよ。」と言われたのだ。
この大きなタスクを彼は、数週間でこなし、2 ChainzとTygaをフィーチャーさせた。
 


フィーチャー、リミックス、コラボ、プロダクションなどに関して様々な意見をDiploと交換するRonは、Diploが常に一歩先にいると話す。
例えば、レゲエ音楽も流行る5年前から、Major Lazerとして制作していたことからも、常に一歩リードしていると話す。