DJ を始める人の多くが悩むのが「DJ 用のパソコンは何が良いの?」という問題。パソコンは2万円代から数十万円のものまで、ピンキリである上に内臓 OS 付属機能などの細かなポイントを気にしなくてはならないため、本当に悩ましいもの。

今回は "DJ として使うこと" を念頭に入れてパソコンを選ぶ上でのポイントを徹底解説しよう。
 

目次
・パソコン選びの基礎のキソ
・最も理想的なDJ用のパソコン
・USBでプレイする人に最適なパソコン
・PCを使ってプレイする人に最適なパソコン
・DJ以外にも画像や動画を制作する人に最適なパソコン

パソコン選びの基礎のキソ



普通に生活していると、良いパソコンの見分け方を学ぶ機会はないはず。そのため、実際にパソコンを買う際に、家電量販店の店員さんの言われるままに買ってしまうことも多い。だが、パソコンに関して必要最低限の知識があるだけで、パソコン購入時に失敗することはかなり少なくなるので、まずはパソコン選びに必要な基礎のキソを学ぼう。

パソコンのスペックを図る上で最低限しておきたいのは以下の3つの要素だ。

・CPU
・メモリ
・ストレージ


分かりやすく例えるなら CPU は作業者。作業者の数が高いと高度な作業ができる。そしてメモリは作業机。数字が大きいほど作業机が広くなり、複数の作業が同時にできるようになる。そしてストレージは引き出し。引き出しが小さいと作業に必要なツールがしまっておけない。

つまり、どんなに作業者(= CPU)が良くても作業机(=メモリ)が狭いと複数の作業ができないし、引き出し(=ストレージ)が小さいとツールやサイズをしまっておくことができない。まずはここを重視しよう。

そして次に気にすべきなのが2つ

・画面サイズ
・ストレージの種類


画面サイズは意外と重要。デカすぎると邪魔だし、小さすぎると文字を読むのに一苦労。そしてストレージは HDD(ハードディスクドライブ)と SSD(ソリッドステートドライブ)の2種類があり、両方に長所短所はあるが、一般的には壊れにくくて読み込み速度が圧倒的に早い SSD の方が良いとされている。
 

最も理想的な DJ 用のパソコン



筆者が選ぶ、最も理想的な DJ 用のパソコンは Apple 13インチ MacBook Pro 2019 である。Apple のオンラインストアでは CPU とメモリ、ストレージを上のグレードにカスタマイズすることができるのだが、もちろん理想的な DJ 用のパソコンなので全て最高のグレードにカスタマイズすると、

CPU:第8世代の2.8 GHz クアッドコア Intel Core i7 プ‍ロ‍セッサ(Turbo Boost 使用時最大4.7GHz)
メモリ:16GB 2,133 MHz LPDDR3メモリ
ストレージ:2TB SSD ストレージ


のハイスペックになり、お値段なんと 385,800円(税別) ...!! こんな値段のパソコンを持ち歩くのは不安で仕方ないし、そもそも手が出せない。

もちろんこの値段が安いという貴族の方にはぜひ上記のスペックで買って頂きたいが、そうでない方には最低限のコストで良いパソコンが欲しいはず。なので、ここからはそれぞれの用途に合わせて理想的なパソコンを紹介しよう。
 

USB でプレイする人に最適なパソコン



世間では DJ のパソコン= Apple の Mac というイメージが浸透している。10万円以上するパソコンを DJ するためだけに買うなんて……という人もいるだろう。

ただ、 Pioneer DJ の機材を使って USB でプレイする人の場合、極端に言うとパソコンのブランドや OS は何でも良くて、とにかく転送に必要なスペックさえあれば良い。つまり Apple の Mac である必要もない。

楽曲の転送に必要な rekordbox の動作環境 を満たすスペックの中で格安 PC を選ぶとしたら、ASUS の R203MA-FD023T  が3万円以下でかなりお手頃。韓国旅行を一回我慢すれば良いだけである。

ただし、CPU は 廉価プロセッサの Intel Celeron 、メモリは4GB、ストレージは32GB と、値段相応のスペック。さらにディスプレイは11.6インチなので、オンラインゲームをするにも、インターネットを見るにも、フリーズや見づらさなど、ありとあらゆるストレスを感じながら過ごすことになる。

インターネットをしたり、Word などで文書を書いたりする程度の用途でも快適に使用したい場合、メモリは 8GB は欲しい。もしこの条件に合う Windows のパソコンでオススメを挙げるなら レノボ Ideapad C340 だ。7万円前後で CPU  がインテル Core i5 、メモリ 8GB、ストレージは 256GB SSD と、かなりコスパが良い。

もし MacBook に憧れているとしたら、MacBook Air で十分。2019年6月時点でオンラインストアにラインナップされているモデルでは10万円台からとなるが、スペックはしっかり揃っているので安心して使用できる。
 

PC を使ってプレイする人に最適なパソコン


MIDI コントローラや DVS 機能を使って DJ する場合、Apple の Mac がベスト、というより Mac 1択にして欲しい。動作の安定性や設定の簡単さなど、様々な要因があるのだが、詳しくは以下の記事をチェックして欲しい。

【関連記事】DJはなぜMacBookを使うのか?その真相について調べてみた。

DJ 中にパソコンがフリーズしないように、容量不足にならないように、必要なスペックは以下の通り。

メモリ:8GB 以上
ストレージ:256GB 以上


この2点を満たすなら MacBook Air で良い。もちろんストレージは多い方がたくさんの曲を保存できるので、色んなジャンルの色んな曲を入れたい場合は多めのストレージを選択しよう。

ただし、MacBook Air とは別モデルの 12インチ MacBook は候補から外して欲しい。このモデルは USB ポートが1つしかなく、バッテリー充電も USB ポートから行うので、事実上バッテリー充電しながらDJ することができない。DJ 中にバッテリー残量を見てヒヤヒヤしている様子がカメラマンに撮られていたら最悪だ。

 

DJ 以外にも画像や動画を制作する人に最適なパソコン


MacBook Air は楽曲を作ったり、映像編集をするために使うには CPU が少し心細い。ただし先述の通り、MacBook シリーズを使うという鉄則は外せないので MacBook Pro をオススメしよう。

現時点で販売されている MacBook Pro は全てメモリが 8GB になっているだが、それでは作業に支障が出てしまうのでオンラインストアで購入時に 16GB にカスタマイズして欲しい。こちらは Apple Store の店頭では購入できないので注意!

CPU も Touch Bar があるモデルは クアッドコア にアップデートされ、作業効率が2倍近く上がったので予算的に余裕がある場合は Touch Bar ありのモデルにしよう。


パソコンは決して安い買い物ではないので、パソコン選びに迷っている方は、ぜひこの記事を参考にして、悔いのないように自分にピッタリのパソコンを購入してもらいたい。

Written by So-on