世界中が未だ新型コロナ禍にあり、日本では第三波の到来に危機感が募る中、一方お隣の国・台湾では何ヶ月にも渡ってフルキャパシティのフェスティバルやコンサート、イベントが開催されており、世界のライブ音楽業界から羨望の的となっている。

人口2,300万人以上を抱える東アジアの国・台湾は、新型コロナウイルスが発生したとされる中国本土から近い(中国は台湾を自国の一部としている)にも関わらず、パンデミックの際に記録された症例はわずか603名の感染者数と7名の死亡者数のみだった。

なぜ、中国を筆頭に他の国々と至近距離である台湾がここまで感染を食い止められて、イベントやフェスを開催できたのか……それにはいくつかの要因が挙げられると、IQ が述べている。連日の新型コロナウイルス関連の報道で既にご存知の方も多いかと思うが、今一度それを確認してみよう。

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まず、台湾は島国であり、国外から台湾に訪れる全ての人に対する2週間の検疫等の厳格な管理措置を早期から行なっていた、というのが挙げられるとのことだ。
なお、ウイルスの発生源とされている武漢からの旅行者に対しては、PCR検査、追跡やチェックを昨年の12月から行われていたという。
日本では新型コロナウイルスが大々的に騒ぎ出されたのは、1月21日あたりにクルーズ船の件が取り上げられるようになった以降なので、約1ヶ月近くのブランクがあり、本格的な対策が取られるようになったのは更にその後なので、すぐ隣の国で発生している割に初動という意味ではかなり遅かったように感じられる。

更に、台湾は以前にも SARS の流行に晒されたことがあり、ウイルス対策が最新のものにきちんと更新されていたことも大きかったと見られている。

それらの結果、台湾はプラスの経済成長率を維持することができ、失業率は9月の時点で3.83%にまで低下し、過去6ヶ月間で最低の数字を更新することができたという。

台湾は、6月の時点ではすでにコンサートホールでのイベントに際してソーシャルディスタンスの必要性と集会に参加できる人数の制限を解除している。

8月8日には、アジア初のアフターコロナのアリーナショーを、収容人数15,350人の台北アリーナでフルキャパシティーで開催、チケットは完売となった。この時点では、ファンは依然としてマスクを着用し、入室時には体温チェックを受け、必要に応じて追跡調査のための識別情報を提出する必要があった。更に、入場時にはピンクの医療用マスクとアルコール消毒シートが提供されたとのことだ。

しかし、それ以来、対策はそれほど厳密に実施されていないとのことで、11月14日に開催された Ultra Taiwan では、約10,000人の来場者が、ほとんどマスクなしで台北のダジエリバーサイドパークに集い、Kayzo、Alesso らアーティストは入国時に14日間の隔離を経て出場した。

更にそれ以前にも、先月には台北のLGBTQ+コミュニティがプライドイベントを主催し、推定13万人が参加しているとのことだ。