大人気アニメ「ポプテピピック」内でも、もっともアクの強いショート・アニメ・シリーズ「ボブネミミッミ」の制作で一躍その名を知らしめ、これまでに多数のアーティストのミュージック・ビデオやコマーシャル等も手掛けてきたクリエイティブチーム「AC部」。最近では、NY を拠点として活動するエクスペリメンタル・ロックバンド最高峰の Battles(バトルス)の MV 「Sugar Foot」を手掛け、その独特過ぎる世界観で世界中の Battles ファン、音楽ファンたちを唖然とさせたのも記憶に新しい。
 

そんな AC部が、初の大規模個展となる企画展「九越 -Transmorph-」を、2020年12月23日〜2021年1月4日までの期間中、日本橋三越本店「MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY」にて開催する。

この企画展「九越 -Transmorph-」は、AC部初の海外アーティストとのコラボレーションでもある上の Battles「Sugar Foot」の MV をメインテーマとしたものとなる。

「Sugar Foot」は約1年のビデオ制作期間を経て、11月に公開された。新型コロナウイルス感染拡大の影響でさまざまな活動が制限された2020年。中止になってしまったイベントの無念を晴らすべく開催された「大宇宙ロボット祭」が舞台となり、お祭りには神輿やねぶたなど、日本的なモチーフが多数登場する。
新型コロナウイルスを彷彿とさせる未知の脅威がロボットを遅い、ラストシーンでは地球がロボットに変形し、脅威に打ち勝つというストーリーで、途中にはBattles が属する Warp Records のロゴが、ロボットアニメ・トランスフォーマーのアイキャッチのパロディのようにカッコ良く出演する演出にもニヤリとさせられる。
 

本作について、AC部は「この時代を生きる鑑賞者に勇気を与えるべく制作されたミュージックビデオ」であると語ってる。また、これまでの AC部の作品では見られなかった新しい映像表現が導入されている点も本作の特徴となる。

展覧会では、ビデオ内で描き切れなかった「Sugar Foot」の世界観をアート作品が補完するように構成されている。オブジェや大作ペインティング、複数のメディアを組み合わせた作品、株式会社リコーの最新技術を用いた2.5Dプリントなどが展示販売される。

その土地柄もあり、古くから地域のお祭りに参加してきた日本橋三越の歴史的背景と、宇宙的スケールで繰り広げられるお祭りがクロスオーバーする瞬間を楽しんで欲しい、とのことだ。

三越コンテンポラリーギャラリーにとっても、映像メディアを用いたアーティストを初めて紹介する展覧会となり「本展をご覧いただくことで前向きな気持ちとなり、目に見えない脅威を乗り越える活力となれば嬉しく思います」とコメントしている。テクノロジーを横断した、新しい AC部の表現を体験しよう。
 

AC部 企画展「九越 -Transmorph-」​

日時:2020年12月23日(水)〜2021年1月4日(月)
会場:日本橋三越本店「MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY」東京都中央区日本橋室町1丁目4−1

>>AC部「九越 -Transmorph-」特設サイト

>>AC部「九越 -Transmorph-」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY) サイト
 

AC部

AC部は1999年に結成されたクリエイティブチーム。多摩美術大学在学中にNHK「デジタルスタジアム」年間グランプリを受賞し、キャリアをスタート。以後、TV・CM・プロモーションビデオ・ウェブサイトと表現の場を広げている。近年においては、TVアニメ「ボブネミミッミ」や、スケッチブックを矢継ぎ早にめくる手動アニメーションである高速紙芝居が知られている。サブカルチャーの領域では高く評価されてきたAC部だが、本展ではコンテンポラリーアートとして本格的に作品を発表する初めての機会となる。