Check Point によると、現在、闇サイトなどで「ワクチンパスポート」や「偽・新型コロナ陰性証明書」「偽・新型コロナワクチン接種証明書」などが販売されているという。また、闇サイト内ではワクチンに関する広告がこの3か月で約300%も上昇したそうだ。

更に、アストラゼネカやジョンソン・アンド・ジョンソンなどの複数のワクチンも販売されているそうで、価格は1つあたり、500ドル~1,000ドル(日本円:約60,000円~100,000円)となっている。


2021年1月22日現在、世界の新型コロナのワクチン接種スピードは加速しているが、全世界の人口を考えると接種率はまだ約1%程度。つまり、何十億の人口がワクチン接種を待っている状態で、多くの人々が、自分はいつワクチン接種を受けられるのかまだ分からない中にある。

日本ではそれほど話題には上っていないが、世界ではワクチン接種を完了した人や陰性証明書を所持することにより、海外旅行やフェスティバルへの参加などといった自由が与えられる計画が国際的に進められている。そうしたことにより「ワクチン接種」「陰性証明書」に対する需要が益々高まっているそうだ。

■ ダークネット内の広告でワクチンが販売される

Check Point の研究者が、ここ最近でダークネット内でワクチンの広告が急増したと報告している。現在、販売元は1,200社を超えているそうで、スペイン、ドイツ、フランス、ロシアを含む欧米諸国に拠点を置いているという。だが、ダークネット内で販売されているワクチンは偽造ワクチンで、販売価格はオックスフォード / アストラゼネカ(500ドル)、ジョンソン & ジョンソン(600ドル)また中国のシノファームも販売されているとのことだ。

■ 偽・ワクチン接種証明書も販売される

そしてなんと、偽のワクチン接種証明書も販売されているという。同ダークネット内では、下の「ワクチン接種証明書」が約135ドル(日本円:14,580円)で販売されていたそうだ。


支払方法としては、暗号通貨(ビットコインなど)が指定されている場合もあるという。

EU の執行機関である欧州委員会は、EU 市民は「デジタルグリーン証明書(ワクチン接種証明書兼コロナ陰性証明書)」 を所持し、現代社会、世界全体で使用するべきだと提案しているそうだ。つまり、この証明書は近い将来、国同士が合意した場合、その国へ入国するための証明書となり、またフェスティバル、ライブ、文化イベント、公共の場に入場する際にも必要となるようだ。

こういった事情により、今後の潜在的な市場に気が付き収益化をしようとする犯罪が増え出していると Check Point は伝えている。

■ 偽の新型コロナウィルス陰性証明書も販売、但し DIY 版

更に、上記の様な商品の販売の他にも、ダークウェブにてユーザーが情報を入力すると本物そっくりな「新型コロナ陰性証明書」が作成できるというサイトも存在するそうだ。こちらの金額は25ドル(日本円:約2,700円)。

必要情報を入力後、メールにて偽・証明書が送付されるとのことだが、このウェヴサイトの注意書きには、この偽の証明書は本物ではないと明確に記載されており、ユーザーはこのウェブサイトに含まれるすべての情報と証明書を犯罪に使用しないように、と書かれているそうだ。だが、証明書の見た目は限りなく本物に近く、専門的が「偽物ではあるが使用は可能なのではないか」と述べている、とCheck Point はコメントしている。


確かに「ワクチンパスポート」「デジタルグリーン証明書(ワクチン接種証明書兼コロナ陰性証明書)」が旅行やフェスティバル参加の際などに必須となった場合、是が非でもワクチンを接種したい、それが不可能な場合は例え犯罪行為にあたるとしても偽物を手に入れて旅行をしたい……という人は出てくることだろう。今後、更に様々な問題が浮上してくるものと警戒されている。

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