最新の研究にて、アメリカ出身の大人気ラッパー Logic(ロジック)がフューチャリングに Alessia Cara(アリシア・カラ) Khalid(カリード)をゲスト・ボーカルに迎え2017年にリリースしたトラック "1-800-273-8255" が、約245人の自殺を防いだと発表された。

▼ Logic 

このトラックのタイトルになっている "1-800-273-8255" はアメリカの「National Suicide Prevention Lifeline(全米自殺予防ライフライン)」の番号で、実際に使用されている番号である。日本の「こころの健康相談統一ダイヤル・0570-064-556」と同様のものだ。

最新の調査によると、このトラックが SNS 上で最も話題になっていた時期、アメリカでの自殺者数が減少していたとのことで、更に Logic がアメリカの MTV’s Video Music Awards に2017年に出演して同トラックを披露した際には、全米自殺予防ライフラインへの電話が約50%増加したという。

また同調査によると、10歳〜19歳の自殺は3つの異なる時期に約5.5%減少したそうだ。1つめは、Logic が "1-800-273-8255" をリリースした最初の34日間、2つ目は Logic が2017年に MTV Awards で "1-800-273-8255" を披露した際、3つめは、Logic が 2018年に GRAMMY Awards で同曲を披露した際だそうだ。

▼ Logic - 1-800-273-8255 ft. Alessia Cara, Khalid (Official Video)

更に、"1-800-273-8255" の Twitter 上での動きを分析し、ある一定の期間でどれだけ注目を集めたかを推定したウィーン医科大学の社会・予防医学部門准教授でこの研究の著者である Thomas Niederkrotenthaler は、CNN に対して「有名人、そして有名人でなくとも、それぞれが危機的状況や自殺念慮にどう対処してきたかを伝えることで、自殺予防に重要な役割を果たすことができる。」とコメントしている。
 

Logic は CNN に対し以下のようにコメントしている。

僕の音楽が人々に影響を与えているのを実際に知れたことこそが、僕が音楽を作る本当のインスピレーションになっている。
僕たちは心の底の暖かい場所から人々を助ける手助けをしたいと思った。そしてそれが現実となった。この事実に僕は心を打たれた。

"1-800-273-8255" の歌詞の始まりは、全米自殺予防ライフラインへ電話をし、自身の人生を終わらせたいと始まる。セカンドコーラスでは「君に生きて欲しい」と投げかける。そして電話口にいる誰かへ「なぜそう思うのか話そう」と続く。トラックは最終的に、明るく希望に満ち、電話をかけた人は「人生は生きる価値がある」と気がつくように構成されている。

>> 研究全文(英語)はこちらから!

こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している
「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。

電話番号:0570-064-556(ナビダイヤル)
相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。(一覧はこちら


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