Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)が、自身の音楽の権利を2億ドル(約258億6330万円)以上でヒプノシス・ソング・キャピタルに売却したことが正式に発表された。
ヒプノシス社は今後、Justin Bieber の楽曲がストリーミングされたり、映画やテレビ番組などのメディアで活用されたりする度に、報酬を受け取ることになる。

この契約は、Justin Bieber が2021年末までにヒプノシスから発表した約290曲からなるバックカタログの全てがカバーされるものとなる。また、彼の楽曲のオリジナル・マスター・レコーディングも同社に帰属することになる。この契約の具体的な内容はヒプノシス社から公表されていないが、とある関係者により「二億ドル相当」と推定されている。

この契約について指示を表明した Justin Bieber のマネージャー、Scooter Braun は、ヒプノシスのチーム全員に感謝し、次のように述べている。

Justin がカタログ契約をする決断をしたとき、この素晴らしい遺産を保存し、成長させる最高のパートナーはメルクとヒプノシスだとすぐに分かった。15年間、私はこの旅に立ち会えたことに感謝しているし、今日という日は関係者全員にとって幸せなものだと思う。Justin の偉業はまだ始まったばかりだ。

ヒプノシス社の創設者/CEO の Merck Mercuriadis は、次のようにコメントしている。

この14年間、Justin Bieber が世界の文化に与えた影響は、本当に驚くべきものだった。今回の買収は、70歳未満のアーティストにとって史上最大の取引に位置付けられる。この驚くべきカタログのパワーは、月間リスナー数約8200万人、Spotify だけで300億回以上のストリーミングを記録しているほどだ。Scooter Braun は彼の素晴らしいカタログを構築する手助けをしてきた。Justin と彼の素晴らしい歌と録音をヒプノシス・ファミリーに迎えることができ、嬉しく思う。

この契約は、Justin Bieber が「Justice」ツアーの残りの日程を不特定の時期まで延期したわずか数週間後に交わされたものとなった。このツアーは、当初2020年に行われる予定だったが、はじめはパンデミックのため、そして最近では Justin Bieber がラムジー・ハント症候群となり、ウィルス感染の影響により顔面麻痺となり、その病との闘病のために何度も延期や遅延が繰り返されていた。

なお、かつては活況を呈していたカタログ市場が、販売価格や金利、キャピタルゲイン税の上昇によって以前ほどの魅力が失われつつあり、現在では全体的に減速しているという。

Justin Bieber のライブラリーは、過去15年ほどの間に成功した作品をいくつか含んでいるものの、Genesis(ジェネシス)や Phil Collins(フィル・コリンズ)のように、今年初めに推定3億ドル(約387億9375万円)で売却されたベテラン・カタログと同じレベルの確率した品質は有していないとのことだ。ジャーナル誌によると、今回の Justin Bieber との契約は、ヒプノシス社にとってこれまでで最大の音楽著作権購入となる。同社は今年初め、Justin Bieber の作品より数年古い Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)の音楽著作権を1億ドル(129億3125万円)超で買収している。更に、50年以上前の普及の名曲を多数含む Leonard Cohen(レナード・コーエン)の膨大なディスコグラフィーもヒプノシス社によって買収されている。