MusicTech によると、仮面のハウス DJ/プロデューサーとして知られるドイツ人アーティストの Claptone(クラップトーン)が、オランダ・アムステルダムで開催される ADE(Amsterdam Dance Event/アムステルダム・ダンス・イベント)にて、初の生公演を行い、その中で述べた発言で注目を集めた。

10月19日木曜日、アムステルダム・ダンス・イベント2023の独占イベント「Claptone のファースト・エヴァー・ライブ・インタビュー&エクスペリエンス」に出演した Claptone は「アルバムという形式が今でもダンスアーティストにとって音楽をリリースするための有益な形式であるか」という BBC ラジオ1のダニー・ハワードの質問に対し、主に "パフォーマンスが低い" ことを理由に「いいえ、全く必要ない」とボイスチェンジャーを通して回答した。

ダンスアーティストとして取り組んでいるなら、アルバムを作るべきではない。
自分をバラード、ダウンテンポの曲、インストゥルメンタルも作りたいアーティストだと思っていて、心から夢中になれるなら、アルバムを作ればいい。

それでも、アルバムの半分はシングルとトラックで事前にリリースしなければならないし、それは僕が若かった頃と同じではない。店に行ってアルバムを買ったら、全部聴いて、裏返して B 面を聴いたりね……そんな時代はもう終わったんだ。

https://musictech.com/news/industry/claptone-first-interview-albums-ade-2023/

この回答に対し「それはどんな気分?」とダニー・ハワードから尋ねられた Claptone は、「ヒドい」と答え、ストリーミングが中心となる昨今に音楽のリリースが主にシングル中心の活動になったため、アルバムのパフォーマンスが全体的に精彩を欠いていることを嘆いた。

僕はレコードコレクターなので、心が張り裂けそうだよ。わかるだろ?
もう B 面もアルバムもないんだ。本物の45(45インチレコード)ですらない。Beatport 用に1つのミックスを作成するだけでチャートに載る必要がある。3つの異なるミックスを作成すると売上が共食いされてしまうため、そのミックスをチャートに押し込む必要があるからだ。

多くのアーティストや音楽愛好家にとってアルバムをリリースするということには特別な魅力があることであるが、現在、音楽リリースの重要性はシングルのリリースへと傾いている。そんな中、Claptone のこの率直な発言は、アーティストや音楽業界関係者が、刻一刻と変化する音楽情勢に継続的に適応するように促している。