Tame Impala(テーム・インパラ)の活動で知られるシンガー/ソングライター/ミュージシャン/DJ/プロデューサーの Kevin Parker(ケビン・パーカー)が、デジタルポリシンセサイザーの「Orchid(オーキッド)」を発表した。

Orchidは、従来の楽器というよりも音楽家やプロデューサーが "新しいアイデアを探求するために設計されたデジタルポリシンセサイザー" であるとのことだ。プレスリリースによると、Orchid は「ユニークなコードロジックシステムを採用し、多様な方法でコードを形作り、変化させることで、創造的な音楽表現を最大化する」というもので、すべての音は、リッチでパワフルな16ボイスのポリフォニックシンセエンジンによって生成され、アンビエンスやモジュレーション FX を搭載、更に低音専用のベースシンセエンジンも含まれている


Orchidは、主にコード生成システムとして使用し、70年代風のプロモーションビデオでは、Orchid の使用方法が紹介されている。
それによると、シングルオクターブのキーボードからルート音を選び、8つの「コードタイプ選択キー」と「コード修正キー」を使用してコードを生成するようだ。例えば、キーボード上の「E」を押し、「Minor」コード修正キーを選択するとEマイナーコードが生成され、さらに修正を加えることができる。

更に Orchid は、特許出願中のボイシングシステムを採用しており、ロータリーエンコーダーを使ってコードを「再配置」および「再調整」できる。これにより、ユニット上の12のキーを超えたコードの可能性を拡張でき、また「Strum」「Slop」「Arpeggiator」「Pattern」「Harp」などのパフォーマンスモードにより、コードの演奏方法に多様性を加えることができる。
 

Orchid は2023年12月にアメリカで1,000台限定で発売され、価格は549ドル(約82000円)だった。2025年にはさらに大規模なリリースが予定されてるとのことなので、日本でも店頭で手に触れることもできることを期待しよう。

Kevin Parker 率いる Tame Impala は、最後のアルバム『The Slow Rush』を2020年にリリース。このアルバムは Billboard Hot 100で3位を記録し、2015年のプラチナアルバム『Currents』の順位を上回る成功を収めた。

Orchid の登場により Kevin Parker が音楽業界に与える影響がさらに広がることが期待されいる。この新しい「アイデアマシン」が、音楽制作にどのような革命をもたらすのか注目しよう。