
Mark のエレクトロニック・ダンス・ミュージックにかける情熱が開花したのは、彼が青年期の頃である。ちょうどマンチェスターがマッドチェスターと呼ばれ、レイブ文化の熱狂がイングランド中を席捲していた時期となる。第一作目のレコードは、Bizarre Inc 名義のユニットとしてリリースされた、ピアノを基調とした豪華な「Playing With Knives」だ。このリリースが思いがけずにハウスの魅力を追うきっかけとなるのであった。成熟を重ねた Mark は、果敢に既にとても大きく成長していたウォールバーハントンのシーンに飛び込んでいく。John Kelly や Frankie Knuckles といった伝説のハウスミュージックを肌で感じ、その後大学へ通うためバーミンガムへ移ると、更に大きなクラブシーンにて活躍の場を獲得する。
Markの最初のプロデュースは、自然とエディットの方向へと進んでいく事となった。105?115 BPM 前後のテンポで、温かくかつメロウなスタイルである。Womack & Womackの「Baby, I’m Scared Of You」をベースにした10分間のトラック「Scared」が BBC ラジオの DJ である、あの Giles Peterson の耳に留まると、レコード限定リリースを連続で行い、熱心なハウスフリークであった Mark は世界の舞台に躍り出る。その後ゆっくりとエディットの枠を超えてオリジナルの製作にも踏み込み、自身のレーベルである MERC を創設し、独特のサウンドに磨きをかけていく。それはディスコの温かみを加え、クラシックでインダストリアル・ハウスに近い音である。
Matthew Dear の「Little People (Black City)」の傑出したリミックスで、Ghostly/Spectralレーベルと出会うと、そこから最初のアルバムとなる「Stone Breaker」をリリース。これも今までの功績と同じくらい大きな出来事であった。その懐かしくもユニークな響きを同時に生み出せるアーティストは数少なく、世界のクラブミュージックのシーンにおける Mark 独自の地位を象徴するシンボルとなったのだ。

