イギリスの Musicians’ Union がパンデミックの渦中、イギリスのミュージシャンを対象に行ったアンケートによると、イギリスの3分の1のミュージシャンが「新型コロナウイルスの影響で自身のミュージックキャリアを捨てることを考えている」という衝撃的な調査結果となった。34%の回答者が、職業としての音楽家を辞めて転職することを考えており、37% がどうするべきかまだ悩んでいるとの回答だった。


この世界を震わすパンデミックは、どの業界にも影響を与えているが「エンターテインメント業界」が最も打撃を受けている業界の1つであることは間違いないだろう。エンターテインメント業界は、この状況の中で最も早くから休業をさぜるを得ず、またどの業界よりも長く休業する必要があり、そして全面的に音楽シーンの興行が解禁になるのは、新型コロナウイルスからの経済の回復が最も最終段階になってからとなる。

そうなると、アーティストは他の収入減を探さなければならない。ほとんどの国がそうであるように、イギリス政府も例に漏れずアーティストに対してのサポートは薄く、興行によって収入を得ていたミュージシャンにとってはその打撃は相当なものであると考えられる。


​また、Musicians’ Union の別調査によると、約半数である 47% が「既に音楽業界でない業界で働くことを視野に入れざるを得ない状況である」と回答。また10人中9人は「イギリス政府はミュージシャンを支援する役割を強化していない」と答えている。

Musicians’ Union の総書記は以下の様にコメントしている。

この調査結果は、衝撃的且つ破壊的な結果である。多くのミュージシャンは金銭的に苦しんでおり、また音楽業界から永久的に離れようとしている。景気が良いときには、ミュージシャンはその才能によって約50億もの経済効果をもたらす。1 人のアーティストが公演をする際には、ドミノ効果で、その他の仕事……照明技術者やチケット販売会社などにも数多くの仕事を作り出す。もし1 人のミュージシャンが仕事を失うと、他の多くの音楽業界で働く人が影響を受けることになる。

この調査結果は、イギリスのミュージシャンを対象に行われた調査結果ではあるが、日本はもちろんのこと、他の国にも同じことが言えるだろう。