現在、東京のクラブシーンで注目を集める最強のパーティー EDGE HOUSE(エッジ・ハウス)
ダンスミュージックシーンの流れが、世界的にハウス、テックハウス、テクノといったジャンルに移行しつつある現在、東京のクラブ界隈で最も最新のクラブミュージック & パーティースタイルに力を入れているパーティーの一つが、この EDGE HOUSE であり、若い世代の HEADS たちから圧倒的な支持を受けている。


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このパーティーのレジデントを務めるのが、DJ DARUMA & JOMMY。長年に渡り、日本のダンスミュージックシーン、クラブシーンと真剣に向き合ってきた彼らが、GENELEC インタビューシリーズに登場!


日本、そして世界の大舞台でのプレイや各国のクラブシーンの立役者たちとの繋がりを通じてシーンを見つめ続けてきた二人が、東京から世界に向けて発信するクラブミュージックのトレンドとは!? そしてそんな彼らが絶賛する GENELEC の音の魅力とは!?
 

世界で感じた「ハウスミュージック」に沸き起こる新しい変化と、EDGE HOUSE 開催に到るまで

iFLYER:2019年にスタートした EDGE HOUSE の開催の経緯を教えて下さい。

DJ DARUMA:2018年の10月ぐらいに、ハウスやテクノの盛り上がりが凄く顕著になってきたのを感じて、東京で規模の大きなハウスやテクノ、四つ打ちをプッシュするようなパーティーをやりたいな、と思ったのがきっかけです。僕も JOMMY も世界のハウスミュージックシーンに新しい何かが起きていることを感じていて、特にヨーロッパやアメリカでその輪郭がはっきりしてきたので、それを東京に持ち込みたいね、という話をしていて VISION を運営する株式会社グローバル・ハーツさんに相談したところ、ボス(代表取締役)の村田大造さんにお呼びいただいて、土曜日の縦帯でレギュラーパーティーとしてやらないかというお話をいただき、そこから1ヶ月ぐらいでローンチとなりました。


iFLYER:ビジュアルや世界観が特徴的なEDGE HOUSE ですが、それは元々お二人の構想の中にあったのでしょうか?

JOMMY:そうですね。僕らの考える現在のハウスミュージック、ダンスミュージックは、ストイックに黙々と踊るというよりは、もうちょっと開けていて、あまりクラブに来たことがない人たちも楽しめるような空間作りや音楽の提供をしたかったので、そういう部分でやはりビジュアルについてもパーティーのコンセプトとして大事にしていきたかったので、僕ら以外にもオーガナイザーのコウスケさんだったり、グラフィックデザインは GUCCIMAZE、デコレーションは KANOYA PROJECT さんがいたりするんですが、皆でコンセプトを話し合って定期的に演出や装飾も変えています。

DJ DARUMA:ちょっと付随すると、今4つデコレーションがあって、それらを毎週末様々な場所に送り込みたいという構想があります。世界観をずらさず同時に開催したいという話は、最初からしていたんですが、このモデルって実は ※elrow が既にやっているんです。elrow にもコンセプトがあって、それを世界中で大規模に回しているんですよね。そのフォーマットはまだアジアでやっているチームはないので、僕らも同じ感覚でやりたいなと思いました。

※elrow …… 世界中のパーティシーンで大絶賛されている、スペイン発のパーティー。エンタメ性が高く、膨大な量の紙吹雪と観客を巻き込むダンサーたち、ド派手な装飾が印象的な中、テクノ〜ハウスミュージックでフロアをとことん踊らせる。ここ日本でも、2018年のSONICMANIA にてステージ開催された。


iFLYER:大阪で EDGE HOUSE を開催した際には、ステージを全て持っていったとお伺いしましたが、海外でパーティーを開催する際には、海外へも同じように送るのでしょうか?

DJ DARUMA:はい、大阪へは送ったり持っていったりしました。海外でやるとしたら、基本的には向こうで作ったり調達するつもりでいます。


iFLYER:EDGE HOUSE は世界観がとにかく凄いですよね。フロアにジャングルが広がっていたりとか……。

DJ DARUMA:あと、調香に関してはかなりオリジナルなのではないかと思います。トランスのイベントではお香が香っていたりというのはありますが、匂いからの情報って、とても重要だと思うんです。その匂いを嗅いだら遊びに来た感じがしたり、ギアが入ったりするというのがあると思います。
クラブで遊びに行って帰ると、服がタバコ臭くなるじゃないですか。僕も JOMMY もタバコを吸わないのでそれが結構イヤなんですよ。でも、うちのメインフロアで遊んでいて帰宅して服の匂い嗅ぐと臭くなくて、むしろちょっと良い匂いがしているぐらいなので、それは今東京には中々ないかなと思っています。
調香師の si oux(スー)さんにきちんとコントロールしてもらって、今もパーティーごとには香りを変えたりしいてますが理想としては最終的に、入り、ピークタイム、パーティーの終わりかけで匂いを変えていく、というのを目標にしています。

JOMMY:バットマンをやっていた時には、エントランスとフロアで匂いを変えたりもしてましたね。


 

新たなシーンが形成されゆく兆し……1年とちょっと経って、お客さんに EDGE HOUSE のやりたいことが伝わってきた

iFLYER:開催を重ねるごとに、パーティーに何か変化はありましたか?

JOMMY:正直まだまだやれてないこと、やらなきゃならないことはたくさんあって、トライアンドエラーをしながら進めている途中です。一年そこそこでシーンを作るというのは、なかなか難しいことだと思います。だからこそ、一回一回、チームで意見を出し合い集中してやっています。開催当初はチームが4〜5人のところからスタートして、一年ちょっと経った今では出演者含めて関係者は倍以上になってきています。

DJ DARUMA:倍以上どころじゃないよ、20人ぐらいになってるよね。チームが。

JOMMY:スタートした頃より賛同してくれる人が増えたし、EDGE HOUSE のファンも増えてきてる実感はありますが、まだまだこれからですね。


iFLYER:パーティー開催当初と今現在とで、お客さんにも変化は感じられますか?

JOMMY:ゲストを海外から招聘していますが、「今回こんな DJ を呼んでくれてありがとうございました」「この DJ を待ってたんですよ!」という声をお客さんから掛けてもらえたりしますね。


iFLYER:EDGE HOUSE に出演する外国人アーティストはとても流行に先駆けているので、最初の頃はお客さんがついて行けていない感じがあったかもしれませんが、今はお客さんが「あ、この人来るんだ!」という風にコメントしているのを Twitter等でもよく目にするようになりました。それって、一年間やって来て、お客さんたちも色々と知識を吸収してきたのかな? という風に感じられるのですが。

JOMMY:それは多分、EDGE HOUSE の方向性がお客さんに伝わってきているのかな、と思います。このアーティストを EDGE HOUSE に呼んでくれないかな、というもあると思いますが。


iFLYER:EDGE HOUSEというジャンルになりつつありますよね。EDGE HOUSE だからこのアーティストでしょ、という。

JOMMY:そうですね、このアーティストだったら EDGE HOUSE にハマるんじゃないの、というのも、結構言われたりするので。だから僕らが進みたい方向性というのも、少しずつですけどお客さんたちに浸透してきているのかな、と思います。


 

iFLYER:DARUMA さんは PKCZ® として Tomorrowland へ出演したり、お二人揃ってでは EDC CHINA や EDC KOREA、ULTRA KOREA といった海外のステージでのプレイから、WIRED MUSIC FESTIVAL での EDGE HOUSE ステージ開催と、日本〜世界で様々なフェスに出演してきていますが、日本と海外とのフェスで感じた違いなどはありますか?

DJ DARUMA:日本と海外というよりは、アジア圏とヨーロッパ、アメリカで結構違うのかな、というのは中国などへ行ってみて感じました。マイアミ UMF のレジスタンスフロアが非常に盛り上がっている点や、ヨーロッパでテクノを軸とした四つ打ち回帰が大きな規模で巻き起こっているなというのが顕著に感じられます。

うちの会社のヨーロッパのチームと話していても、クラブやフェスは完全にテクノがメインストリームになってきていて、ハウスがそれに続いていってる感じで、そして段々とそのハウスの割合が増えてきているという感じがあるのかなという。そういった流れがある中で日本、中国、韓国で実際にプレイしていてアジア圏にはまだその流れが入ってきていないと思います。プラス、国民性もあったりするかもしれないですが。
今現在は、まだ大きく違うんですが十年前は日本でも WOMB アドベンチャーがあったり BIG BEACH FESTIVAL があったりしていたし、流れさえ作ってしまえば受け入れる土壌というのは間違いなくあると思います。

クラブ単位で言えば、Contact、Vent、VISION などにも若者は集まってきていて、そこにいる20代の子たちの様子をみていると、テクノを新しいフレッシュなものとして捉えて、ダンスフロアを楽しんでいるイメージがあるので、どこかのタイミングで流れが変わることを僕たちも望みながらプッシュし続けているんですが、果たしてそのタイミングの大きな波というのがいつ来るのかなぁ、という感じですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

良いプレイ出来ました まだまだ頑張ります

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iFLYER:それは、アメリカとヨーロッパでもだいぶ違う、というように聞きましたが。

DJ DARUMA:フェスのカラーにもよるのかもしれません。去年の EDC Las Vegas に行ったら、メインは完全に Future Bass とか Trap で Hip Hop がめちゃくちゃ流行っていたりするんで。
NEON GARDEN みたいな四つ打ちをプッシュしているステージがメインステージまで行っているわけではないですが、メインステージも大トリの時間は金・土・日と全て Claude VonStroke(クラウド・ボンストローク)と GreenVelvet(グリーン・ベルベッド)の B2B とか、JAMIE JONES(ジェイミー・ジョーンズ)と誰かとか、良い時間帯に四つ打ちを持ってきているんで、オーガナイズ側が意図して EDM・TRAP というところから、テクノ・ハウスに持って行こうとしているというのを感じることができました。メインステージの流れというのは、やっぱりその年のトレンドをどうやって動かそうとしているのかが凄く顕著に出ると思うのですが、それは過去4年間ぐらい視察や出演で行ってる Tomorrowland のメインステージでも明らかでしたね。それも含めて、これは遅かれ早かれアジアにもその四つ打ち回帰の流れが入ってくるだろうと JOMMY と話していて、これはうまくすると非常に大きな規模でパイを取りに行けるんじゃないかと考えています。
 

全てはここから始まった……!? EDGE HOUSE のお手本は「elrow」にあり

iFLYER:先ほどもチラリと名前が出ましたが、お二人は elrow というフェスの存在は元々ご存知だったんですか? 本場の elrow へ行ったことは?

JOMMY:行ったことはないですが、知ってはいました。SNS で自分たちが気になるアーティストを調べていくと、なんか凄いところで DJ やってんな、この人たち……みたいなのが目について、このパーティーって一体何なんだろう、というところで elrow に繋がりました。


iFLYER:Youtube で見たりとか?

JOMMY:そうそう、Instagram だったりとか。


iFLYER:SONICMANIA​ 2018 では、お二人で elrow ステージに出演してらっしゃいますが、どうでしたか?

JOMMU:ほんと最高でした。まあもちろん、elrow を知っていての elrow 出演だったので。


iFLYER:きっかけというのは?

JOMMY:2017年の WIRED MUSIC FESTIVAL に僕一人で出演してた際に、いわゆる EDM、Hiphop、Trap みたいなステージの中で、ステージの規模が大きくても、あえてそっちに寄せることはしたくないなと思っていました。僕はその当時ハウス、テクノにフォーカスしてプレイしていたんですが、お客さんは理解できないかもしれないけど、と思いつつも45分のセットをやったんですよ。まあ、思ったとおり、お客さんの反応はなかなか難しくて(笑)。

DJ DARUMA:いや、すげえ良かったよ!僕はその後 PKCZ® で出演だったんで、袖で踊っていたんですが、チラッとフロアを見たら、ほとんどのヘッズが微動だにせずお通夜みたいな顔をして白目剥いてる、みたいな。結構な数のお客さんがいるんですが、ウンともスンとも言ってないんですよ。まじで。えっ、どういうことなの!? って。

JOMMY:そうそう、まあ覚悟して臨んでいたとはいえね、割とそういう感じだったから……。

DJ DARUMA:ちなみにその後 Mercer(マーサー)も超良い DJ プレイしたんですけど、JOMMY と同じ顔して降りてきた(笑)。


iFLYER:そのときは悲しいですけど、でも今になって「自分、この時これやったんだ」って言えますよね。

JOMMY:そこはこう、突っ張って自分のスタイルで出したことによって、たまたま SONICMANIA で elrow をやるための準備か何かで来日していた NY 在住の女性が僕の DJ を見ていて、DJ が終わった後で「あなたさっきの DJ よね。あなたのスタイル、凄く共感できたわ。今ちょうど日本で elrow の開催を考えていたところだったから」みたいなお話を……。


iFLYER:ええ〜!

DJ DARUMA:理解者いた! みたいな。

JOMMY:ピンポイント! みたいな。


iFLYER:elrow って名前は知っている人は多いと思うんですが、実際にどんなパーティーなのかは、皆さんあまり知らないと思うんですが、どうなんでしょうか?

DJ DARUMA:SONICMANIA のときのバズは凄まじかったですよ。このときの SONICMANIA、凄く良くて、お客さんもフライングロータスとかを観に来たダンスミュージック・エレクトロミュージックを聴いている人たちから、Marshmello を聴きにきた EDM フェス層まで、凄い良いバランスで混在していたんです。elrow 知らなかった人たちがいっぱいいて、多分まずビジュアルで「なんじゃここ」みたいな。で、EDM 層は「見た感じ映える! 新しい!」みたいな感じで撮っていく。コアに音楽聴いていた人たちは「あれ? 久々に大きい規模でストイックに踊れる事やってんじゃん」ってなって、それがいい感じにフロアで混じって、終始フロアはパンパンだったんですよ。で、ちょっと人がいなくなると、着ぐるみを着た elrow の、黄色い鳥みたいなのが、フロアの外に「踊りに行こうぜ」とお客さんを巻き込みに行くんですよ。それも凄い良かった。


iFLYER:新しいですね。

DJ DARUMA:elrow から感銘を受けた点は、やってる側がめっちゃ楽しんでいるんですよ。elrow から送り込まれてきた来た外国人スタッフのチームが、ガンガンに踊りながら「ビール、お前も飲むか!?」みたいな感じでブースに来て。elrow って紙吹雪がめっちゃ出るんですけど、その装置のところにも erlow  のスタッフが二人いて、一人が僕の掛けてる CDJ の波形を見に来て「いいかお前、このブレイクの開けで紙吹雪出すからな」って言ってくるんですよ。で、ガーッてロールで上がっていくじゃないですか。そしたら紙吹雪のスイッチをバン! と押してバッシャーっと紙吹雪が出て、お客さんがドーンと盛り上がったらもう四人でハイタッチ!「やったな、お前! 盛り上がったな!」みたいな感じで。「俺らが今夜、このパーティーを盛り上げるんだ」って気概を持ってそのスタッフたちが世界中に飛んでいる、っていうあのスピリッツが、elrow の凄い共感できるところですね。
もちろんどれだけ儲かるかを第一に考えるのが興行としてやっていく上で当たり前に大事なんですが、それと同等の価値としていかに良いパーティーになるかっていうのを真剣に考えているのが、elrow から凄く伝わってきて、そこに対する共感を感じることができるんですよね。

JOMMY:パーティー始まる前とかに、着ぐるみ着たパフォーマーや舞台裏のスタッフ T シャツ着てる人も含めて、皆で円陣組んだりして。なかなかないですよ、そういうの。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【速報】最高 @elrowofficial  #Psychedelic #HouseMusic

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ダンスフロアにいない DJ なんて信用できない! 作り手側もお客さんもとことん楽しめる「イベント作り」の形


iFLYER:スタッフが一緒になって踊れるとか、ちょっと違いますよね。関係者は関係者、みたいなイベントは多い気がします。

JOMMY :そうなの。割とさ、自分の仕事以外の時間は、結構後ろにいる人いるじゃない。そういう人がいない。


iFLYER:お二人も EDGE HOUSE のとき、いつもフロアにいますよね。
 
DJ DARUMA:ダンスフロアに行かない DJ なんて信用できなくないですか? 海外のトップ DJ の方などは有名過ぎて無理な場合もありますが(笑)。


iFLYER:いやもう、カッコいいですね。いつもお二人、普通にフロアにいるからビックリします。

DJ DARUMA:普通に、自分たちが踊りたくて呼んでる DJ ですし、楽屋に溜まってダベってるのだけは絶対にやめようって EDGE HOUSE では言ってて、それは皆意識してて、裏に溜まりそうになると表に行こうと言いますね。表で自分たちが一番楽しんで、巻き込んでやってかないと良いパーティーにはならないし、フロアの様子も分からない。何人入ったかだけでパーティーを決めたくないんで。100人しかいなくても、良いパーティーだっていうのもあり得るし。
 
 

「クラブってどんな格好をして行けば良いの?」東京のストリートファッションシーンを牽引する二人からのアドバイスは……まさかの「なんでもOK」!?

iFLYER:クラブって、行くのに結構敷居が高いように感じる点もあると思います。何着ていけば良いのか、とか。逆に、EDGE HOUSE では、お客さんにどんな格好で着てもらいたいですか?

DJ DARUMA:それ、よく言われるんですよね、昔っから。もちろん「今日は俺この T シャツを着て行くんだ!」「この髪型で行くんだ!」みたいな主張があるのが良いんですけど、でもなんかもうそこも好きにして良いんじゃないかなと思います。もちろんオシャレして来てくれたら嬉しいですけど、別にオシャレしてなきゃ楽しめないっていうのはないですし。ただ、音楽と場を楽しんで欲しいというのが第一なので、今は特にオシャレに関しては考えてないですね。もしかしたらまたシーンやパーティーカラーが動いたら、意識も変わってくるのかもしれないですけど、数年前から僕もう白 T にデニムで充分というか、それよりもっと人や新しい音楽との出会いに重きを置いて欲しいから、服装に関してはあんまり考えなくて良いんじゃないかなという気がしています。サンダル履きダメとか、そういうクラブのレギュレーションはありますけど、そのルールさえ守っていればなんかもう良くない?

JOMMY:うん、そうね。ファッションに興味がなくても、それこそこの DJ 聴きに行きたい、で、それが EDGE HOUSE で、そこに自分が気になる格好をしているお客さんがいて、というようなところも新しいコミュニケーションだと思うので。そういう新しい発見をしにくる場所だと思うんですよ。だから、あんまりね、敷居の高いようなところではない、というのは言っておきたいですね。


 

2020年、さらに勢いを増す EDGE HOUSE。今後の展開は?

iFLYER:昨年はパルコ等で未成年も OK なイベントの開催等もありましたが、2020年からは EDGE HOUSE は開催が金曜の隔週になり、今年はどんなことにチャレンジしていきたいとかってありますか?

DJ DARUMA:未成年も入れるイベントは、今年も企画進行しているので継続してやりつつ、後は規模を広げていきたいと考えています。金曜の隔週になった分土曜日が空くので、日本の各都市に僕らが飛んでいって EDGE HOUSE を開催していくっていうところまで持っていく。大阪は既に始まっていますけど、それを更に広げていくのと、後はアジア諸国やヨーロッパでも話を進めていますので具体的に国外に EDGE HOUSE を持っていく作業を今年はしていきます。もうこのムーブメント自体のピークがあと2〜3年で来ちゃうと思うので、それまでにあまり時間がない中、どのぐらいまで広げられるのか。まあ EDM ほど POP MUSIC とリンクするかはまだ分かりませんが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

EDGE HOUSE at OSAKA 遂に関西地区初開催 いい感じのフロア作れた 今夜はCLUB JOULEでお待ちしております!

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ただ、僕ら実は TRAP も通って来てるんですけど、6〜7年前は、日本で TRAP 掛けても誰も踊らなかったんですよ。HIP HOP と TRAP 混ぜてずっと DJ  してたんですけど、心が折れて、ああもうこれパーティーとして成立しないんだ、日本では無理なことなんだな、って思って。TRAP の後に同じ BPM で HIP HOP 掛けても、お客さんは「なんなの、この人たち何がしたいの?」みたいな雰囲気で、誰も踊らなかったんですよ。それが、これだけ世界で爆発的に流行して、5〜6年が経つと、POP MUSIC とリンクして、皆が踊れる音楽になるんだ、という変化を僕らは見てきた。これもどこまでリミットがあるのか分からないけど、確実に変わっていくものだと思うんで、そのトレンドのピークがくる前に、アジアを制圧しに掛かりたいので、それがどこまでできるのかっていうのをやっている最中ですね。2020年に。


iFLYER:じゃあ、これから大きくなっていく。世界的に。

DJ DARUMA:自分たちのオリジナルの楽曲と、それをパーティーを使ってどこまで広げられるか。僕らはビジュアル面もストリートっぽいというか、GUCCIMAZE(グッチメイズ)にグラフィックを全部見てもらっていますが、そういう事をハウスやテクノを軸に大きい規模でやっているのは、アジアで僕ら以外にまだいないように見受けられるので、これはうまくやればウケるんじゃないかな、と。後は、どれだけ若い世代を巻き込んでいけるのか、というところですね。


iFLYER:未成年のイベントも大事ですよね。これからの若い世代に向けての。

DJ DARUMA:やっぱりパワーがあるもんね、若い子たち。ガンガン踊るし。そして、曲を良く知ってるんですよ、皆。


 

"壁際ボーイズ" の信頼を獲得し、若い世代を巻き込んで急成長する EDGE HOUSE

iFLYER:確かに、若い子たちはアーティストや曲について、めちゃくちゃストイックに掘ってて詳しい、という話はよく耳にします。逆にクラブに行けなくて家で聴くしかないから、更に詳しくなるんでしょうかね。

DJ DARUMA:あと、そういう子たちはやはりデイイベントに行きますよね。そして、僕らの若い頃よりも、月千円程度の定額で、ストリーミングサービスで聴き放題じゃないですか。掘ろうと思ったらガーっといける。僕たちなんて、買った CD が何枚ハズレで泣きそうになったか分かんない。それもプラスになってはいるんですけど、でもやっぱ今の若い子たちの情報収集能力とかは凄い。で、そういう子たちの一定層のプロップは、EDGE HOUSE は既に得られたと思う。
僕ら、そういう子たちを "壁際ボーイズ" と呼んでいるんですけど、クラブの壁際にいて、SNS で「今日の DJ こんな感じ」「今日はこんなパーティーだった」って書き込む層。その層って、凄い大事なんですよ。実はシーンの核は、その壁際ボーイズが作っている。「なんでこの DJ が今この選曲をしているのか」「このトレンドはどのように動いて今こうなっているのか」というのを彼等は全部分かっていて、情報を理論的にちゃんとコントロールできているんですよね。その壁際ボーイズの信頼を得られるか得られないかって、これから発展していくに当たってかなり重要なんです。一年掛けて「EDGE HOUSE はちゃんと筋が通っている」「EDGE HOUSE はこういうことをやろうとしてるんだよね」って彼らに分かってもらえたので、それは結構でかいな、と。あと若い世代が EDGE HOUSE を『エジハ』と略して話していて略称が出来たのは良い傾向だなと(笑)。


iFLYER:Twitter とかで EDGE HOUSE の動画を UP して呟いている方よく見ますけど「ああ、今日こんな感じだったんだ、行ってみたいな」ってなりますもんね。

DJ DARUMA:そういう子たちは友達内でも音楽へのリテラシーが高くて周りからも信頼されてると思いますし「あいつが行ってるなら面白いだろう」っていう子たちなので、そういう子たちを昨年一年間掛けてしっかりロックできたっていうのは、かなり大きいと思います。やっぱ若い層へのアプローチは絶対に必要なんで。もちろん、40代以降の年齢層の高い人たちにも、安心して踊れるイベントだと認識してもらって、老若男女、皆がちゃんと踊れる場を提供する、っていう作業を2020年には広げていってる感じですね。

 

EDGE HOUSE レーベル、遂に始動……!?!?

iFLYER:Instagram のストーリーで拝見しましたが、お二人自身の楽曲も製作中とか?

DJ DARUMA:はい、そうですね。めちゃくちゃストックは溜まってきてるんですが、どう出していくかという点でまだ最終決着はついていません。できる限り大きな座組みにしたいんで、そこを今模索しています。なるべくマスって言ったらアレなんですけど......なんなら、コマーシャルに僕らの曲が使われて、そのコマーシャルの曲から EDGE HOUSE に入ってくる人たちがいる、ぐらいまで行けたら最高ですよね。


iFLYER:EDGE HOUSE レーベルの方はいかがでしょうか?

DJ DARUMA:そこを今模索している最中です。目標は EDGE HOUSE レーベルとして出していきつつ、積極的に海外レーベルからもリリースする。あと、毎回海外からアーティストを呼んでる理由として、海外の DJ チームとリレーションを取りたいというのもあります。海外のアーティストとご飯食べてるときとかに「これからアジア人もどんどんリリースしてくから、良かったらリミックスとか、EDGE HOUSE レーベルから作品出したり色々お願いできないかな?」って言うと、大体「あ〜全然良いよ!」って感じで返事くれるんで、一回ジャブ程度に言っておくと、話が実際に良い方向に転がってくこともありますしね。


iFLYER:なるほど、では今後に期待ですね。これまでに出演した海外アーティストとのコラボとかもあるかもしれないですよね?

DJ DARUMA:そうですね、リミックスしてもらったりとかもあればいいな、という。


iFLYER:ところで、これは個人的に質問したいことなんですが、お二人が B2B されるときって、いつもセットを組まれているんですか? それとも即興なのでしょうか?

JOMMY:即興。


iFLYER:おお、凄い! そうなんですね。

DJ DARUMA:ただ、分かりやすくしないと、という意識は二人ともあると思います。今のハウスミュージックって、アンセムがめちゃくちゃ多いじゃないですか。渋くしようとしたらいくらでも渋い選曲にできちゃうんですが、アンセムをなるべく多くしたいな、という意識があるんで。僕らはレジデントで、それを意識的に掛けていくのが役目だと思います。もしかしたら今海外のクラブではもう掛からないかもしれないけど、EDGE HOUSE のお客さんは盛り上がってくれるようなアンセム曲、それをうまく混ぜていこうと考えています。あと、今毎週DJ やってるんで自分でも思うんですが、めちゃくちゃ DJ が上手くなりましたね(笑)。明らかに一年前とは全然違う。


iFLYER:色々なテクニックを使って。

DJ DARUMA:選曲も早くなったし。あと、DJ には場を掌握する、察知する能力が必要だと思うんですが、まあ自分たちのホームのパーティーだというのもありますが、特に DJ 中に JOMMY とはお互い話さなくても、今日はこうだからこう言う選曲にしていこう、というのも上手く構築していけるようになったな、というのはありますね。


iFLYER:言葉を交わさなくても意思疎通できる、みたいな。

DJ DARUMA:
二十歳ぐらいから一緒にいるんで。同じダンスチームでずっとやってきて、HIP HOP を通って来て。前もよく言ってましたが、JOMMY とは好きなものはもちろん、嫌いなものが一緒なんですよ。ここはダサい、というギリギリのポイントも一緒なんで。この曲なくない?っていう。じゃないと多分、B2B ってできないいんじゃないかな、と思います。


iFLYER:夫婦みたいですね。

DJ DARUMA:表現がダンスから DJ に変わりましたが、ずっと長いこと一緒にいるんで。

JOMMY:酸いも甘いもね。

DJ DARUMA:これだけ一緒にいるのに仲は良いですよね。リスペクトと気遣いを絶対に忘れないようにしないと、やっぱりコンビって超大変だと思うんで。あとまあ、お互いパパなんで、その共通項もあったりとかして。


iFLYER:お子さんができた、というのも、未成年の方がイベントに来て、新しいシーンを盛り上げていってもらいたい、という点に繋がっているのでしょうか?

DJ DARUMA:あると思いますね。家族で楽しんで欲しいな、と思います。
   

「お世辞じゃなく、個人的にも信頼して使用してます」DJ DARUMA & JOMMY​ も認める GENELEC スピーカーの実力

上記インタビューの通り、EDGE HOUSE のイベント開催の一方でレーベル始動に向けて尽力中の DJ DARUMA & JOMMY。自身でもトラックを作り溜めているという彼らだが、曲作りをする立場の彼らから見て、GENELEC はお世辞抜きに信頼のおけるスピーカーメーカーであるとのこと。


今回、インタビューを行った GENELEC のモデルルームにて、改めて現在製作中の自身のトラックを二人に聴いてもらった。
 

Photo:中原義史
 

DJ DARUMA & JOMMY​

1990年代初頭よりHIP HOPダンサーとしてTOKYOのクラブシーンの成長を体感した二人は、’00年代後半のエレクトロとファッションの密接な繋がりの中、DJ DARUMA は DEXPISTOLS として、JOMMY は ROC TRAX の一員として各々の DJ のポジションを確かなものにした。
近年 DARUMA は PKCZ®︎、JOMMY は多彩なカルチャーに精通し数々の現場を盛り上げ続ける経験により DJ として急成長を遂げる。
そして現在、DJ DARUMA & JOMMY の B2B STYLE はイーブンキックのグルーヴに注力しており、HIP HOP からの影響を感じさせる、『新しい』 HOUSE や TECHNO でフロアをガンガン踊らせているのだ。
 

DJ DARUMA

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GENELEC


1978年にフィンランドで創立されたプロ用スピーカー・メーカーである「GENELEC」。
世界で初めてアンプを内蔵したアクティブ・スピーカーを開発し、その革新的な技術とサウンドによりプロの音楽制作現場では世界標準となっている。
近年では一般ユーザー向け G シリーズや店舗向け製品も販売されているが、そのクオリティに変わりはない。
インダストリアル・デザイナーの Harri Koskinnen 氏が手がけた北欧デザイン、信頼の Made in Finland、再生アルミニウムやリサイクル可能な部品の採用など、正に北欧を代表するスピーカー・ブランドだ。
そんなレコーディング・スタジオのサウンドを自宅や店舗で体感してみてはいかがだろうか。

Genelec Gシリーズ
https://www.genelec.jp/home-speakers/​