The Mercury News の報道によると、アメリカ・カリフォルニア州の若者世代の新型コロナウイルス・ワクチンの接種率が低いため、今後経済が再開するのにあたり、更なる新型コロナウイルスの再流行を引き起こすのではないかとカリフォルニア当局が懸念を抱いているとのことだ。


カリフォルニア州・サンフランシスコ・ベイエリアの Santa Clara、Marin、Contra Costa、Alameda を含むいくつかの郡での10代〜30代のワクチン摂取率は、40代以上のワクチン接種率より少ないと発表されている。

もちろん16歳以上がワクチン接種可能となったのはここ数週間であるが、経済が回復するにつれワクチン接種の全体的な鈍化と、若者のワクチン接種率の低さが重なり、この地域での新型コロナのアウトブレイクが起きる可能性があると当局は警告を出しているそうだ。


カリフォルニア州の成人全体では、約58%が少なくとも1回のワクチン接種をしている。一方アメリカ全体では約55%となっている。
だが、若者世代がワクチンを接種する割合が成人に比べ低くなる可能性があるとのことで、その理由は「新型コロナウイルス陽性になっても、若者世代は重症化しにくい」といった情報や「ワクチンを接種するための複雑な予約システム」に要因があるという。

更に、サンノゼ市の W.C. Overfelt 高校の卒業生である Andrea Hernandez は、彼女の友人たちは「若者が新型コロナウイルスによって重症化したり死亡するリスクは高くないため、ワクチン接種は重要ではない」といった内容の投稿を SNS にシェアしている、と語っている

また「(新型コロナの)誤った説明が広まっているため、若者たちはワクチン接種をせず、またワクチンを受けることにも消極的になっている。もし私と同世代の人たちが、もっとワクチンの重要性を認識するようになれば、より多くの人がワクチンを信じて接種するようになると思う」ともコメント。

統計的にはその通りだが、一方で若者が最も感染率が高く、それによって他人へ感染させる可能性があることも事実であると The Mercury News は伝えている。

また、 UC San Francisco 大学の疫学者である  Peter Chin-Hong 博士は、若者にはより具体的な「アメとムチ」を使ったアプローチをするべきだとコメント。
「ムチ」は、大学の授業に出席するためにはワクチン接種を必須とする。これは既にいくつかの大学が計画をしているそうだ。そして「アメ」としては、コンサートやフェスティバルでワクチン接種カードを見せた場合は、ドーナッツを配るなど様々な「褒美」を用意するべきだとしている。