解散した伝説のエレクトロニック・ミュージック・デュオ Daft Punk(ダフト・パンク)のマルチ・プラチナム・セールスを記録した名作アルバム2枚が寝室で制作されたという長年噂され続けてきた俗説を、メンバーの Thomas Bangalter(トーマ・バンガルテル)が最近の BBC ポッドキャストにて認める発言をした。

▼ノーマスクの Daft Punk(1997年、22歳当時)
Daft Punk は世の中に数多く存在するベッドルーム・プロデューサーの中でもトップクラスのプロデューサーであることは間違いない。Daft Punk の名盤として知られるアルバム『Homework』と『Discovery』の2枚は、ベッドルームにて、地味な手法でレコーディングされたとのことだ。
 
 

BBC のポッドキャスト「The First Time...」に出演した際、ホストの Matt Everitt との会話の中で Thomas Bangalter は、以下のようにコメントしている。

『Homework』と『Discovery』は、寝室でやったんだ。同じアパートで、「Modern Times」(テレビ番組)を見ていて『Songs in the Key of Life』(スティーヴィー・ワンダーのアルバム)を常にターンテーブルにかけていた。

11歳の誕生日に両親がプレゼントしてくれた小さなラジカセで、JVC の小さなグラフィック・イコライザー付きのものだった。ある日、キーボードやサンプラーを何台か接続したときに、そのラジカセを見つけて、マシンの山の上に置いたんだ。その小さなラジカセで『Homework』と『Discovery』のミキシングとレコーディングをした。あれは魔法のようなものだった。

当時としては型破りだったこの手法により、Daft Punk と彼らのレーベルは、スタジオ費用やエンジニアリング等に掛かる数千ドルを節約しながら、エレクトロニック・ミュージックの歴史において最も時代を超越した二作品を生み出した。

なお、Daft Punk は1997年に Mix Mag に対して以下のように語っている。

僕たちはスタジオに入らず、ベッドルームでレコーディングすることにとても熱心なんだ。
メジャーのレコード・レーベルでそれをやるのは、とても魅力的だった。ドラム・マシーン2台と古いシンセサイザーがあれば、本物のローファイなものができる

また、同年、彼らは Melody Maker 誌に以下のように語っている。

僕らのアルバムは、どんなロック・アルバムよりも安い。スタジオ代も、プロデューサーも、エンジニアも。物事を進めるのに正しい方法や間違った方法があるとは言わないが、これが一つの方法であることは確かだ。