アルバム『★』と同じくダニー・マッキャスリン率いるカルテットと共にレコーディングされた「ノー・プラン(No Plan)」、「キリング・ア・リトル・タイム(Killing a Little Time)」、「ホエン・アイ・メット・ユー(When I Met You)」の未発表音源3曲は、ボウイとトニー・ヴィスコンティ共同プロデュースによる、最後のスタジオ・レコーディング音源としてアルバム『ラザルス』に収録される。

アルバム『ラザルス』には、昨年オフ・ブロードウェイ作品としてニューヨークにて上演された、オリジナル・キャストとバンドによる、劇中で歌われているデヴィッド・ボウイの楽曲「世界を売った男(The Man Who Sold The World)」、「チェンジス」、「火星の生活(Life On Mars?)」などをDisc1に収録、Disc2には、ボウイが最後にスタジオ・レコーディングした3曲と「ラザルス」が収録される計23曲収録の作品。アートワークは、『★』、『ザ・ネクスト・デイ』、『ヒーザン』などを手がけた、ジョナサン・バーンブルックによるもの。日本盤は通常のCDプレーヤーで再生可能な高品質フォーマット【Blu-spec CD2】仕様で発売される。

過去にはボウイと『ザ・ネクスト・デイ』で仕事を共にしたヘンリー・ヘイがプロデュースを手がけ、ヘイがニューヨーク公演時に集めた7人編成のハウス・バンドを従え、(マイケル・C・)ホール、(ソフィア・アナ・)カルーソ、クリスティン・ミロティ、マイケル・エスパー他キャストのヴォーカルがDisc1ではフィーチャーされているが、アルバムが録音されたのは2016年1月11日。スタジオに到着したミュージシャンやキャストは、前日の夜にボウイがこの世を去ってしまったことを知り、ショックと哀しみにくれた。その日の彼らの感情のこもった演奏が、この作品ではとらえられている。

ミュージカル『ラザルス』は、デヴィッド・ボウイとブロードウェイ・ミュージカルとして大ヒットした『ONCE ダブリンの街角で』の脚本を手がけた劇作家エンダ・ウォルシュによって書かれ、ベルギー出身の演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェが監督した作品。1963年のウォルター・テヴィス著『地球に落ちてきた男(The Man Who Fell to Earth)』がインスピレーション元になっている。この著書は1976年にニコラス・ローグ監督のもと映画化され、デヴィッド・ボウイが中心人物トーマス・ジェローム・ニュートン役を演じたことでも知られ、『ラザルス』はニュートンのキャラクターに焦点を当てたものである。その英国版は11月8日にロンドン、キング・クロス・シアターにて初演される。

アルバム『★』は2016年度マーキュリー賞の最終候補リスト入りを果たし、9月15日に行われる同賞の授与式では、マイケル・C・ホールがヘンリー・ヘイと『ラザルス』のハウス・バンドと共に表題曲を歌う。この模様はBBC4とBBCラジオ6ミュージックにて、ハマースミスのイヴェンティム・アポロより生中継される。また、日本では2017年の70回目の誕生日1月8日より、大回顧展『DAVID BOWIE is』が開催される。