日本では、先週末に非常事態宣言解除前から湘南・片瀬海岸に観光客が殺到し、沿岸の国道134号線が大渋滞となって問題視されていたが、同じような事態が日本よりも新型コロナウイルスの被害が甚大なアメリカでも起きているようだ。

アメリカの Memorial Day(メモリアルデー/戦没将兵追悼記念日)の週末である5月23日、アメリカ・ミズーリ州のオーセージ・ビーチにある Backwater Jacks Bar & Grill では、プールパーティーが開催されたが、そこでソーシャルディスタンスを全く無視して飲み騒ぐ人々の姿が撮影され、SNS 等で大きな非難を浴びている。


このパーティーでは「イベントを楽しむための安全な環境を提供するため、特別な予防策と安全対策を実施する」とアナウンスしているものの、動画を見る限りは全く配慮されている様子はなく、今だに猛威を振るい続ける新型コロナウイルスと最前線で戦っている医療関係者やその家族を中心に「パーティーは健康よりも重要だと思うのか?」「高額の罰金を課するべき」「利己的で愚かな、このビジネスを展開する企業とパーティー参加者を心配する」「数週間の検疫を無に帰し、全国の医療従事者をナメている行為だ」「オーガナイザーはこのパーティーを明日も開催するつもりだから保安官事務所に通報する」といった怒りの声が多数 SNS に投稿されている。 
 

なお、ミズーリ州の新型コロナウイルス感染者数は、Google によると2020年5月25日現在(日本時間)で11,753人、死亡者数は、676人にも及んでいる。

しかし、湘南にしろこのプールパーティーにしろ、こういった状況は多数の観光地や公園、様々な国の街のあちこちで見受けられており、全く他人事ではない。確かに、自宅に引きこもり続けなければならない状況はストレスであるし、心地良い天気の日が続いて感染者数の数字が減ってきているのを目にすると、つい気が緩んで「少しぐらいなら」「屋外だから大丈夫」といって外に出たくなってしまう気持ちは大いにわかるが、このままでは、非常事態宣言や外出禁止令が解除されても第二波の感染の波が来るのは避けられないだろう。


音楽シーンでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、各クラブやアーティスト、レーベル、イベントオーガナイザーといったシーンを担う人々が知恵と工夫を凝らし、せっかくオンライン上でのライブストリーミング配信が充実してきているのだから、今はいくらリアルで盛り上がりたくても、しばらくの間はインターネット上で我慢しておいた方が、結果的に早くクラブイベントやフェスの安全な開催に繋がるのではないだろうか。