8/31にラスベガスの人気クラブ OMNIA Nightclub にて公演を行ったスコットランド出身のプロデューサー・DJ、Calvin Harris。
 

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Big @tiesto at Omnia last night. What is happening in second pic

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その2日後9/2に、オランダ出身のプロデューサー・DJ Tiesto と、OMNIA で撮影したとみられる2枚ツーショット写真を Instagram に投稿。TiestoはCalvin Harris がレジデントを務めるこの公演に遊びに来ていたようで、レアな2ショットに反響も大きかったこの投稿だが、Calvin Harris は2枚の写真と共に以下のコメントを添えて投稿した。

「Big Tiesto at Omnia last night. What is happening in second pic」

「昨夜のOmniaにて Tiestoと。2枚目の写真は何が起こっていると思う?」


その写真を見てさまざまなコメントが寄せられたが、1人ファンがこうコメントを寄せた。

「He is telling you: why did you stop producing EDM bro?」

「Tiesto は Calvin Harris にこう言っている。なんでEDMの楽曲制作を辞めちゃったの?」


その後間もなくして、Calvin Harrisがこのコメントに対しこう返信をした。

「f you’re gonna use the term ‘edm’ then house music is included under the edm umbrella. If your edm umbrella is strictly progressive house then u need to get a new umbrella fella」

「もし君が "EDM” って言う単語を使うのであれば、"house music” はその EDM の傘下に入るよね。そしてもし、君の言っている "EDM” の傘下が絶対に "progressive house" だけっていうことならば、新しい傘下を作った方がいいんじゃないかな」

 
"EDM" と言う単語についてはさまざまな意見や見解がある。
そこで、大御所プロデューサー/DJ の3名が "EDM" について発言したインタビューを一部抜粋してまとめてみた。


ダンスミュージックやカルチャーについての記事を配信している Thump が2015年に行ったインタビューにて、Fatboy Slim は、"EDM”についてこう答えている。(一部抜粋)

「EDM will crash and burn. It's based on a pyramid scheme of making money and as soon it stops making money the whole house of cards will fall down. We want there to be something left when this bubble bursts.」

「EDM は粉々になって燃え尽きると思う。金儲けのピラミッドのようなスキームになっているからね。金儲けができなくなると全てが崩れ落ちていくと思う。だけど、そうなった時、何か少しでも残っていて欲しいと思う」




同じくThumpのインタビューにて、2014年、John Digweed はこう語っている。(一部抜粋)

「If I ended up on the main stage, people are going to want something more familiar and I can't deliver that. I'd rather be where the crowd wants to hear what I want to play. It just wouldn't work for me to follow an EDM DJ, I don't have that energy in my music even if i'm playing my fastest, most energetic track」

「僕が例えばメインステージに立つことになったとして、もしもみんなが聞きなれた曲を聴きたいと思って来てくれたとしても、僕はその期待には応えられない。僕は、僕がプレイする音楽を聴きに来てくれる場所でプレイしたい。ただ単に僕は、EDM DJとしては機能しないんだよ。僕の音楽の中にもエネルギッシュな曲はあるけど、"EDM" のような、そういったエナジーはないんだ」




また、ダンスミュージックのニュースを配信している Dancing Astronaut にて2014年、Carl Coxはこう発言している。(一部抜粋)

「I don't think it's 'underground vs overground,' I just think it's pop culture versus people who actually love the music. Some of these people have no clue why they are standing in front of these DJs in the first place. I can't be part of that system」

「アンダーグラウンド v.s オバーグラウンド、そういった事ではないと思うんだ。ポップカルチャー v.s 本当に音楽が好きな人たちってことだと僕は思う。きっとそういった中には、なんでDJ達の前に立ってダンスフロアに居るのか全くわかってない人たちもいると思う。僕はそういったシステムの中の一員にはなれない」



さまざまな見解があるし、話の内容によっては物議を醸しがちなワードである "EDM"。十人十色であるように正解も不正解もないような気がするが、EDM のプロデューサーの一人として世界的に人気のある ​Calvin Harris 本人がそういった発言をしたという事実は SNS 上で衝撃を与えているようだ。

ただし、​間違えてはならないのは ​Calvin Harris は "EDM" 自体について否定的な意見を述べたというわけではない、ということ。あくまでも、あまりにも固定観念に縛られ始めてしまった "EDM" というジャンルについての味方に釘を刺した、とでも言うべきだろうか。
そもそものところ、 "EDM" 本来の意味としては「Electric Dance Music(エレクトリック・ダンス・ミュージック)」である。そう考えると、テクノもハウスも全てのありとあらゆる電子音で形成された踊れる音楽は "EDM" に含まれるということになる。

世界トップレベルの EDM プロデューサーである ​ ​Calvin Harris は、おそらく今後の EDM の発展についても視野に入れて、あのような発言をしたのではないだろうか。

Writen by SAORIMILK