スイスで開催され、約600人が参加した「ヨーデル」フェスティバルが、スイスの シュヴィーツ地方のカントンを新型コロナウイルスのホットスポットにしてしまったと考えてられているとのことだ。

ヨーデルはアルプス地方などが発祥とされる歌唱法。ここ日本でも、アニメ「アルプスの少女ハイジ」等でご存知の方も多いことだろう。
下のヨーデルを歌う動画を見ればお分かりいただけると思うが、確かに、口を大きく開けて舌をしきりに動かさなければならない上にかなりの声量を必要とするこの発声法だと、歌うたびに唾は飛びそうである。

▼ヨーデルの一例

9月に開催されたこのヨーデルフェスでは、参加者は社会的距離を維持する必要はあったものの、マスクの着用は義務付けられていなかった。

公演から9日後、イベント主催者は数名の参加者が新型コロナウイルスに感染したことを把握。その後、パンデミックはこの地域全体に広がり、わずか500人だった9月中旬の感染者数に対し、1,238人にまで膨れ上がった。

このヨーデルフェスでの感染爆発は、ヨーロッパ全体で最悪の新型コロナウイルス拡散事件であると言われている。

「このヨーデル・グループで起きたことについて、我々は何もできない。公演の9日後、グループの何人かが感染していることが分かった」
と、イベント主催者の Beat Hegner は RTS の公共テレビに語っている。

州立病院の責任者である Franziska Foellmi 氏は「(病床の稼働率が)30%から50%になった」と発言しており、医師の Reto Nueesch は「我々が対処するときがきた。シュヴィーツでの症例数の急増は、ヨーロッパ全体で最悪の感染拡大の一つだ」とオンラインで投稿している。

カントン当局は感染管理措置を強化し、現在では50人以上が参加するすべての公的及び私的イベントにおいて、距離を維持できない状況でのマスク着用を義務付けている。