iFLYER では過去に何度か音楽関連の難聴のリスクの話題をお届けしてきたが、今回また海外から難聴関連の調査結果が報告されている。それによるとイギリスのコンサート参加者の約50% が、難聴や、聴覚の損傷により常に耳鳴りがする症状のリスクを抱えていることが、新たな調査研究によって明らかとなったとのことだ。

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チケット販売アプリ Ticketswap が、聴覚の健康へのダメージを防ぐことを目的とした英国初の学際的協会 UK Hearing Conservation Association と、Kultlab の #DontMissABeat キャンペーンと共同で実施したこの調査では、イギリスのコンサート来場者の50%が、どの席であっても難聴になるリスクがあることが判明した。さらにこの調査では、参加者の半数以下が「耳鳴り」がどういったものであるのかさえ知らないということも明らかとなった。

この調査は2023年2月に実施され、コンサート参加者の50%が常に耳鳴りを抱えており、コンサート会場で耳栓を装着しているのは10人に1人であるという調査結果も出ている。


UK Hearing Conservation Association の創設者/ディレクターの Clare Forshaw は、以下のように述べている。

ライブやフェスティバルの騒音レベルは100db以上に達することもあり、短いライブでも難聴や耳鳴り、騒音に対する過敏性に加え、早期発症の認知症や認知障害のリスク増加といった取り返しのつかない被害をもたらす可能性がある。

この研究に加え、録音された音楽に限った話では、80年代以降、音楽業界は「ライドネス戦争」に巻き込まれており、ポストプロダクションのダイナミックレンジ圧縮によって、ミュージシャンやプロデューサーを新たなラウドネス閾値に追い込み、年を追うごとに音量が大きくなってきたことも特筆すべきことであるとのことだ
上記のために、コンサートはより大音量に、ヘッドホンもより大音量に、更にはカーステレオもより大音量になり、絶えず変化する音域に耐えられるよう、競争が起きているという。

耳が騒音に晒されることは、難聴ばかりか、早期発症の認知症リスクまで増加するという恐ろしい今回の調査結果。今後はナイトクラブやコンサート会場に行く時は、耳栓を携帯する癖を身に付けておいたほうがよさそうだ。
ちなみに筆者は、家の鍵のキーホルダーに耳栓ケースがついたものをつけており、いつでもどこでも耳栓をつけられるようにしている。携帯し忘れようがないし、家の鍵もキーホルダーをつけていたほうが見つけやすくなるので、非常にオススメだ。

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