昨年11月12日、ファン待望のデビューアルバム『グレイテスト・ヒッツ Vol.1(Greatest Hits Vol.1)』を遂にリリースした、ダンス・ミュージック界のスーパースター、マーティン・ギャリックス(Martin Garrix)と、ジャスティン・ビーバーやオースティン・マホーンなど、名だたるミュージシャンのプロデュース実績を持つメイジャー(Maejor)によるプロジェクト AREA21​。
 

デビューアルバム『グレイテスト・ヒッツ Vol.1(Greatest Hits Vol.1)』リリースの際には、iFLYER 読者向けにメッセージをくれた彼らから、最新インタビューが到着!!

これまで語られなかった AREA21 の中の人、マーティン・ギャリックスとメイジャーの出会いや楽曲制作について等、ファンが知りたかったアレコレがたっぷりと語られた、ファンの知識欲を刺激するようなインタビューとなっている。

一部には、iFLYER のエクスクルーシブな質問も含まれているので、要チェックだ!!
 

Q:2人ともアムステルダムにいるのですか?

メイジャー:そうだよ、オランダだよ。一緒に音楽を作ったり、ライヴのリハーサルをやっているんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

AREA21(@area21)がシェアした投稿


Q:2人が初めて出会ったときの話を聞きましたが(LA のパーティで出会って、その後すぐに飛行機の中でまた遭遇した)、一緒に音楽を作ったり、AREA21というユニットを結成するに至った経緯を教えてもらえますか?

マーティン:僕の方の事情から言わせてもらうと、全く違った音楽をやれるってことに興奮したのが大きいと思うんだ。それまではエレクトロニック・ミュージックだけにフォーカスして、大きなフェスに出演したり、いわゆる EDM だよね、そういう音楽のことだけを僕は考えていた。ところがメイジャーと一緒にやるようになってから、いろんな意味で開眼した感じなんだ。新しいサウンドに実験的に取り組んだり、ずっと長い間触ってなかったギターを弾いてみたり。うん、だからよりライヴ感に富んだサウンドだよね。そういう作業が凄く楽しくて一緒に始めたし、それは今でも変わらない。このプロジェクトのコア部分は、そこだと思うんだ。とにかく楽しいってことなんだ。

メイジャー:まったく同感だね。楽しいことを満喫する。それがこのプロジェクトの原動力だと思うんだ。僕たちは “エイリアンとか使ってクレイジーなプロジェクトをやろうぜ” とかって始めたわけじゃない。2人の中から自然に生まれたものなんだ。心を開いて可能性を追求している。制約を取り払い、新しいアイディアに挑戦し、楽しくやっていたら、そのうち凄くクールで “これって凄いんじゃない?” って思えるものが誕生して、ここまで来た感じなんだ。

Q:二人は、マーティンが Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)のツアーに出演したり、メイジャーがやはりジャスティンの曲をプロデュースされていますが、その際に出会ったのでしょうか?

メイジャー:当時は、僕たち一緒には仕事をしていなかったよね。

マーティン:メイジャーはジャスティンの『パーパス』のアルバムに参加してたんだっけ?

メイジャー:そうそう、僕はジャスティンの『パーパス』とか、その他のアルバムに参加していたよ。

Q:でも一緒には顔を合わせたことがなかったと?

メイジャー:いや、そういうわけではないよ。だって初めて僕たちが会ったパーティにもジャスティンはいたし。

マーティン:そうそう(笑)。

Q:ジャスティンのパーティだったのですか?

メイジャー:ジャスティンのパーティではなかったけれど、ジャスティンもその場にいたんだ。僕たちが初めて出会ったパーティにジャスティンはいたし、その後のツアーなどでも顔を合わせたりはしていたよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

AREA21(@area21)がシェアした投稿


Q:デビュー曲「Spaceships」のリリースが2016年で、その後幾つかシングルが発表されましたが、デビュー・アルバムの完成までにはかなり時間が掛かっています。当初から長く続けるプロジェクトとして考えていたのですか?

マーティン:最初から長く続けるとか、一生掛けようとかは考えていなかったよ。とにかく2人で音楽を制作するのが楽しくて、音楽って、そういうものじゃないかと思うんだ。人々を楽しくさせて、人々を繋ぐ。実際僕たち2人も音楽で繋がれたわけだし、僕がしみじみ感動させられるのは、このアルバムの楽曲を作るのも楽しかったけれど、それを聴いた人々にもその楽しさが伝わって、みんなとも繋がれたと感じるときなんだ。熱い気持ちが湧き上がってくる。大切なことだと思うんだ。

メイジャー:まったくその通りだと僕も思うな。エイリアンはまだ地球に到着したばかり。物語は始まったばかりだよ。これからもっといろんな冒険が待ち受けている。一生分くらいはね(笑)。
 

Q:コロナ禍でパンデミックの影響などもあり、ツアーやプロモを行うのが困難なこの時期に、なぜアルバムを発表しようと考えたのですか?

マーティン:理由は2つあって、まず1つ目は AREA21 だから2021年にリリースしたかったということ。2つ目はコロナ禍でいろんな面で制約を受け、人間らしい交流が減ってしまった。人間同士の触れ合いって絶対に必要だし、僕たちの力で少しでもみんなを元気づけれないかと考えたんだ。あと、みんながスマホと睨めっこばかりして、SNS なんかで他人と比較ばかりしているから、僕たちがエイリアンとなり伝えたかったんだ。見映えなんてどうでもよくて、ひとりひとりがユニークで、そのままでスペシャルだってね。エイリアンにとっては、スマホばっかり眺めているのは理解できないし、国境がなぜ存在するかも謎なんだよ。コロナ禍でみんなの意見がいっそう分断されていることもある。だから確かにコロナ禍ではプロモも容易じゃないし、人々が求める音楽もコロナ禍以前の懐かしい音楽に戻る傾向があるようだけど、僕らはサウンド的にもメッセージ的にもみんなの元に届けるには、これが正しいタイミングだと考えたんだ。

Q:このプロジェクトのコンセプトである、宇宙を旅していたエイリアンが地球に不時着、というのを思いついたのはどちらなんですか?

マーティン:2人で一緒に考えたんだ。前に使っていた僕のスタジオが宇宙船みたいなデザインで21階にあったから AREA21 という名を付けたんだ。それにデビュー曲が「Spaceships」だったから、“それなら僕たちはエイリアンになっちゃおう” と考えて、エイリアンの絵を描いて、以来そのコンセプトなんだ。

メイジャー:僕にとっては音楽って、いつも他の惑星から聴こえてくるような気がしているから。だからエイリアンによる音楽は、ごく自然なことなんだ。

Q:アルバムのタイトルに『Greatest Hits Vol.1』と付けた理由は、“地球上の素晴らしいアルバムの多くに付けられているタイトルだから” とのこと。面白いけれど、混乱させられます(苦笑)。おそらくそこが狙いだと思うのですが、このタイトルを思いついたのは?

マーティン:どっちかな? よく覚えてないなぁ(笑)。でも笑えるタイトルにしたかったのと、好きなアーティストたちのアルバムには、必ず『●●Greatest Hits』と書かれているのを見て、僕たちエイリアンが早とちりして “ならそれで行こう” と考えちゃったんだ。そんなタイトルのベスト・アルバムを出すには、それまでに何枚もアルバムを出してなきゃ、なんて知らなくてね(笑)。

メイジャー:他の人たちがやらないことをやってみるっていうのが面白いと思ったし、既成のルールを無視して ”Greatest Hitsってタイトルにしちゃおう” ってノリだよね(笑)。

Q:他にタイトルのアイデアはなかったんですか?

マーティン:う〜ん、これだけかな。

メイジャー:他にはなかったと思うな。

マーティン:バカバカしくて最高じゃないかと思ったし(笑)。

メイジャー:とにかく2人で大笑いしたよ。それがみんなにも伝わるといいなって思うしね。
 

Q:マーティンにとってはパーマネントなヴォーカリストをもつのは初めてじゃないかと思うのですが、毎回違ったヴォーカリストと仕事をするのと、メイジャーのひとりだけと仕事をするのとではどう違っていますか?

マーティン:うん、すごくアプローチが違っているよ。僕がデモを作ったり、メイジャーも時々デモを作ったりするんだけれど、“これはちょっと AREA21 向けじゃないな” と思ったらマーティン・ギャリックスの曲として使うこともできる。実際今度リリースされるマーティン・ギャリックスの曲はメイジャーと一緒に書いたものなんだ。もっとアップリフティングでタイプで、AREA21 向けというよりギャリックス向けの曲だと思ったからなんだ。“今度はフェス向けの曲を作ろうか” などと目標を決めなくても、自由にやってみて、あとから決めればいいから、すごく楽なんだ。それに同じ声を使って仕事をするってことは、曲によってどんなふうに彼の声を変えようかって、いろいろと試したりできるから僕にとってはすごく興味深いんだ。曲の一部を取り出して、コードや音程などを変えたり、ディストーションを掛けたり、オートチューンを使ってみたり。大変なこともあるけれど、アルバム1枚を通して楽しんでもらうためには、色々と工夫が必要だからね。メイジャーの最高の声を使って、いろいろ試したり。ネクスト・レベルに高めてくれる。

Q:メイジャーにとっては、AREA21 の楽曲制作は違っていますか?

メイジャー:マーティンも言ってたように、このプロジェクトでは、凄く密な関係でコラボしているから、まずそこが違うよね。歌詞とメロディ、音楽が同時に降りてくるって感じかな、そういう曲作りなんだ。こういう体験ができるのは嬉しいし、自分自身を外から眺めているような気分だったりもする。自分たち介して曲が誕生しているようで、僕らはその手助け役のような感じがするよ。

Q:ご自身の楽曲とAREA21の楽曲はかなり違ったものとなっているものが多いですが、AREA21 で表現したかった音楽性の大元となっているのは?

マーティン:異なるジャンル、サウンドを掛け合わせて、ひとつのジャンルだけに拘らないってことだね。影響を受けてきた様々な音楽の要素を取り入れて、ルールには縛られず。真っ白なカンバスの上で、好き放題やるって感じなんだ。


Q:AREA21 が影響を受けたアーティストには、どのような人たちがいますか?

マーティン:ファレル(・ウィリアムス)とアウトキャストだね。

メイジャー:僕はボブ・マーリーかな、他にも偉大なるアーティストがたくさんいるよ。ローリング・ストーンズや U2 など、人々を繋げる音楽を生み出している人たちだね。ビートルズもそうだし、あらゆるスタイルの音楽から僕たちは影響を受けている。僕は2パックからの影響もあるし。

Q:素顔を見せずにアニメを使うという点に関しては、ゴリラズやダフト・パンクの影響もありましたか?

マーティン:もちろん100%そうだよ。ゴリラズの音楽とアニメを融合した見せ方はとてもユニークで他とは違っていたと思うし、ダフト・パンクもそうだよね。斬新で画期的だった思うんだ。今でもギャリックスのショウでは彼らの「ワン・モア・タイム」をいつも掛けている。僕たちの音楽も、そんなふうにタイムレスに聴き継がれるものであってほしいと思っているし、サウンド面のみならずリリック面においても、10年20年30年後でも AREA21 を耳にして、時代を超えて愛されると嬉しいよね。これからはもっとデジタルや VR、メタバースなどが進むだろうから。

Q:パーティ・チューンのみならず、「Followers」のような現代のソーシャル・メディアに関する問題なども取り上げています。SNS とはどんなふうに付き合っていくべきだと思いますか?

メイジャー:SNS には良い面と悪い面とがあると思うんだ。良い面は、友人や家族と連絡を取ったり、世界の見聞を広めて探検したりできるのは、凄くいいことだと思うんだ。僕はミシガン州のデトロイト出身だけど、こうして音楽業に入れたのもソーシャル・メディアがあったから。実際にはそこにいなくても、ネットや SNS があったから可能になったと思うんだ。でも、みんなが苦労していることもある。SNS のおかげで、みんなが……

マーティン:他人と比較したり。

メイジャー:そうそう、他人と比較したり、依存しすぎたり。ネットばかり見ていると、本当に何が大切なのか、現実を忘れてしまいがち。常に他人と比較したり、自分自身を批判して落ち込んでしまったり、他人が何をしているかばかり気にかけて、健全じゃないんだよ。だから僕たちはそういう点については警笛を鳴らしておきたかったわけだけど、何も全てを否定しようってわけじゃない。素晴らしいツールであることも確かだよ。

マーティン:特にコロナ禍では、人々を繋いでくれた。健全なバランスを見つけることが大切ってことだよね。とにかく他人と比較し始めたら良くないと思うな。服装にしても、アーティストにしても、アートやサウンドのことにしても、どちらが上とか比較したり、数字を比べたり。そうなるともうお終いだよね。みんなぞれぞれに道があり、進み方があると思うから、他人と比べてばかりいたら自分を見失ってしまう。“あっちの方がクール” だとか、”あっちの写真の方がクール” とか思っていたらキリがない。だって最高のローケーションで写した最高の写真しかみんなアップしないからね。SNS の上では誰もがハッピーに見えるから。でも、現実にはそんなのありえない。誰だって感情の浮き沈みはあるわけで、その現実と SNS との違いを知っておくことが大切だと思うんだ。
 

Q:国籍や人種、性別などとは無縁のエイリアンの2人にとって、地球上の人々がやってることで不思議に映ったり、変だな、変わればいいのにと思うことはありますか?

マーティン:エイリアンから見て国境って何のため?って凄く不思議だよね。地球は球体なのに、あえて線を引くなんて。どんな愛だって愛なのに。誰を愛しようと愛には変わりない。凄く見方が狭いというか、愛の形で区別しようとしてみたり。地球以外の星ではそんなの見たことないよ、とても不思議だね。誰を愛しようと自由だし、他人が決めることじゃない。それが全ての鍵じゃないのかな。こんなに分断してしまった世界っておかしいよ。外から見ると凄くクレイジー(苦笑)。

メイジャー:そういう視点で見ると、地球上の人々のやってること見えてくるよね。それを反面教師として学べることがあると思うんだ。僕たちには何ができるのか。


……インタビュー後編では、いよいよ本格始動しつつある AREA21 の今後のライブ活動等について語られる。後編も乞うご期待!!
 

【リリース情報】

デビュー・アルバム『グレイテスト・ヒッツ Vol. 1』
2021年11月12日発売
価 格:¥2,750 (税込)
品 番:UICH-1016
初回プレス盤限定封入特典:
・AREA21 キャラクタ―・ステッカー(1シート4絵柄)
・AREA21 オリジナルTシャツ抽選応募用シリアル・ナンバー


ニュー・シングル「Own the Night」
2021.10.15 RELEASE

AREA21

AREA21 日本公式サイト
Official Web Site
Twitter
Facebook
Instagram
TikTok
LINE