10月末のハロウィンシーズンが終わると、世間は一気にクリスマスムードに包まれる。どのお店もクリスマス商戦に明け暮れるようになる。特に12月に入ると、どこを向いてもクリスマス関連グッズ、クリスマスプレゼント、クリスマスのデコレーションが並ぶようになる。そして、スピーカーから流れてくるのは右を向いても左を向いてもクリスマスソングばかりの1ヶ月間が始まる。


クリスマスソングは、聴く者の年末気分を盛り上げてワクワクさせる一方で、聴き過ぎると逆に精神衛生上良くない、という声も上がっている。
臨床心理学者の Linda Blair によると、クリスマスソングを聴きすぎると、精神的に磨り減ってしまう可能性があると言う。Blair は Sky News に下記のように語っている。

クリスマスに関連する店舗で働いている場合、クリスマス関連の音楽を流す量を調整したほうが良いだろう。ほかのことに集中できなくなってしまうためだ。人によっては、自然と耳に入ってきてしまうクリスマスソングに注意を向けないようにするために、そこに全力を尽くしてしまう場合もある。


確かに、クリスマスソングは少し耳にするだけなら季節感があってワクワクするものだが、それが一日中、何十回も繰り返されたら苦痛でしかないだろう。
また、心理理学者である Victoria Williamson は、NBCに対して以下のように語っている。
 

本質的に、あなたがクリスマスソングを繰り返し耳にした場合、脳は飽和状態となり、徐々に不快に感じ始める。そしてお金や旅行、親戚と顔を合わせることに対するストレスが悪化する可能性がある。


しかし、ショッピングセンターからクリスマスソングが消え去ることはない。なぜならば、実際にクリスマスソングを流すことで顧客の消費を促すというデータが、いくつかの調査で示されているためである。それだけではなく、海外では松やシナモンといった「クリスマスの香り」を店舗のデコレーションの一つとして取り入れている店もあるという。


クリスマスの雰囲気を楽しみたいのであれば、逆にクリスマスソングを聴くのは程々にしておいた方が良いかもしれない。ただし、店舗で働いていて、自身に BGM 選択の決定権がない場合はそうもいかないだろうが……。